「英語が堪能だったから、受ける会社受ける会社、みんな合格。いい気になって外資系企業を渡り歩いていたら、40代で10社を超えていた。書類選考でけっこう落とされたのはそのためだったような気がする」(メーカー・45歳)。
転職すると、前の会社が妙によく思えてくるという人は少なくない。前の会社のやり方になれていたこともあるだろう。また、これまで働いていた企業と、企業規模や雰囲気が違う場合も、違和感を覚えるかもしれない。
前より合わない会社に入ってしまったと再び転職をし、また新たな違和感につきあたるという悪循環に陥る人は実に多い。結果、転職回数が10回とか20回となってしまう人が生まれてしまう。
「たとえ勤務したのが1~2週間でも、働いた会社はしっかりと履歴書に書きましょう」(山崎氏)。経歴はずっとついて回るので、社歴を増やす(=履歴書の職歴欄を増やす)のは慎重にすべきだろう。
「辞めてから仕事を探す」は最後の手段に
実際に転職活動をする時に心配なのは業務との兼ね合いだ。
「私たちが面談等を行うゴールデンタイムは19時から21時。一方、企業との面接は、夜の時間帯に調整してくれるケースと、日中に行うケースの両方あるので、調整には工夫が必要です」(山崎氏)。日中の場合は有休休暇を取るなど、周辺に迷惑をかけない工夫が必要だ。残業が多く、どうしても面接が受けられない人は、退職してから転職活動をせざるを得ないかもしれない。
「離職期間が2~3カ月くらいまでなら企業からの評価は下がりませんが、4カ月、半年と伸びていけば離職期間を懸念されるようになります。ですから離職後に転職活動をするのは最後の手段として残しておくべきでしょう」(山崎氏)。いったん仕事を辞めて、少し休んでから仕事を探そうと思う人も多いようだが、空白期間が長ければ長いほど、市場価値を下げるリスクもあることを考えておいた方がいいだろう。
「担当していた業務資料をすべてもっていってしまった。破棄してしまった人もいる。信じられない!」(外資系サービス:40歳)、「長期休暇を取った後、上司にも報告せず、人事だけに連絡してそのまま退職。感じが悪かった」(商社:32歳)、「デスク周りをかたづけずに辞めていったので、われわれが処分しなければならず不愉快だった」(金融・27歳)、「有休消化はいいけど、1カ月前に退職届を出して、そのまま、ほとんど会社にこない人がいた。引継ぎができず大迷惑でした」(輸送・34歳)。
残った人たちに迷惑をかけないためには、どうすればいいのだろうか。
「いよいよ転職先のメドが立ってきたら、引継ぎの準備をしましょう。転職が決まってから準備をするのでは遅いので、自分の仕事をリストにしたり、作業方法を文書化したり、次の人に気持ちよく業務をしてもらえるよう引き継ぎをしておくのもマナーです」(山崎氏)。
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