「退職理由はいろいろあると思いますが、ネガティブな理由ではなく、前向きな理由で考えてほしい。今の環境で辞めたいと思わせているカベを乗り越えられないか、最善を尽くしましょう。それが難しい場合、転職も1つの選択肢です。また、困難なカベにぶつかったとき、それをうまく乗り越えられれば、面接でその経験を話せるし、評価される材料にもなります」(山崎氏)。石の上にも3年の定説通りで、がっかりする人もいるかもしれないが、その間、やることは多い。
「まず、やってほしいのは自己分析。社歴が浅いのに辞めたいという方は、新卒の時に自己分析をしっかりしていない人、親の意見で就職先を決めた人、就活で疲れたからと内定1社目ですぐに入社を決めてしまったなどの理由が多いですね」(山崎氏)。
自分との相性を見極めずに入社したから、違和感を覚えたり、入社前のイメージとは違ったという問題が起こりやすい。
転職活動を始めたら、だいたい1~2カ月で決まる。転職活動中にゆったり自己分析などしている暇はない。自分に合わないからと、自己分析もしないまま転職活動を始めれば、仮に運よく転職先が見つかったとしても、また、「思った雰囲気と違った」ということになりかねない。
本当に退職しか手がないのか再検討を
「社会人となり、仕事をしてみてわかったことも沢山あるはず。自分が働く上で、何を大切にしたいのか。仕事の内容なのか、働き方なのか、給与なのか、人によっていろいろあります。まずは、そういう自分が大切にしている軸を整理してから、転職活動を始めましょう」(山崎氏)。
同時に辞めたい理由について、本当にどうにもならないことなのか、再検討してみることも必要だ。たとえば、残業の多さがネックになっている場合。まずは残業が常態化しているのか、繁閑期があるのかをチェックする。
もし繁閑期があれば、1年でならせば、平均的な残業時間になるのかもしれない。また、会社として働き方の改善に真剣に取り組んでいれば、1~2年がんばれば、辞めたい理由は消滅しているかもしれない。残業時間改善のために、自分で働きかけできることがないか行動してみましょう。さらに、仕事の内容や働き方に不満がある場合は、転職しなくても、他の部署に異動すれば解決するかもしれない。
「転職の面接では、『上司にかけあったのか?』『前職で改善の余地はなかったのか』『どれだけ手を尽くしても、解決策は転職しかなかったのか』といった転職の理由を聞かれます。そういうところはしっかり説明できるようにしておきましょう」(山崎氏)。
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