三井不動産の最新高級ホテルは何が違うのか 「セレスティンホテルズ」を立て続けに開業
なお、三井不動産グループは、ザ セレスティンホテルズを立ち上げる一方で、既存のガーデンホテルの高級路線化も進めている。そこで、ガーデンホテルのフラッグシップと位置づけられ、名前に“プレミア”を冠する「三井ガーデンホテル銀座プレミア」などと、新ブランドは、どのように差別化していくのかについて、三井不動産ホテル事業部長の鴉田(からすだ)隆司氏に話を聞いた。
「日本のホテルを見渡すと、アッパーミドルをターゲットとするホテルの上が、ラグジュアリーであり、その中間がない。その隙間を埋めるというのが、今回の新ブランドの発想の起点であり、(アッパーミドルの中で上級と位置づける)ガーデンホテル プレミアよりも、少し上の層のお客様をメインターゲットとして位置づけている。具体的には、ハード面では、部屋のサイズをガーデンホテルよりも一回り大きくしている。サービス面では、宿泊主体型ホテルではあるものの、ホスピタリティをより強化するために、スタッフの数を多めに確保したほか、その土地ならではの体験プログラムを用意するなどした」(鴉田氏)
東京の客室は決して広くはない
実際に客室を見ていくと、セレスティン祗園は、全157室のうちの120室を占める「スーペリアツイン」の専有面積が30~35平方メートルであり、確かに広い。
一方、セレスティン銀座は全104室のうち65室を占める主力の部屋「スーペリアダブル」の専有面積が23.5平方メートルになっている。天井を高くし、床から天井までのフルハイト窓を採用していることなどから圧迫感はないものの、幅1600×1960メートルという存在感のあるベッドが置かれていることもあり、想像していたよりも狭く感じる。もちろん、スーペリアツイン(31.3平方メートル)、セレスティンツイン(34.2平方メートル)、セレスティンデラックス(47.5平方メートル)など、さまざまな部屋のバリエーションが用意されていることは付記しておく。
部屋がより狭いと感じたのは、セレスティン東京芝だ。リニューアルに際して、一部の部屋を拡張するなどしたものの、全243室のうち、19~21平方メートルの部屋が180室を占める。部屋の内装・備品などがリニューアルされ、快適さは増したものの、広さに関しては、一般的なビジネスホテルよりは、やや広いくらいといった感じだ。また、水回りもリニューアルされていない。広々としたロビーやラウンジがあり、スパやトレーニングルームが新設されたものの、客室だけを見ると、リブランドにより上昇した価格の差額を説明するのが、難しいのではないか。
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