三井不動産の最新高級ホテルは何が違うのか 「セレスティンホテルズ」を立て続けに開業

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セレスティン銀座の客室水回り。シャンプーはブルガリ、タオルは今治タオルが使われている(筆者撮影)

「今後はラグジュアリーホテルの進出が予定されているものの、現在の銀座を見ると、アッパークラスのホテルが十分に足りているとは思えない。“世界の銀座”に相応しいホテルの多様性があってしかるべきだ。アッパークラスの需要は、今後も十分にあると見込んでいる。また、確かに、2020年がホテル需要の1つの山になるのは、間違いない。しかし、現在、インバウンドが増えてきているのは、日本に魅力があるからであり、そうであれば、今後もマーケットの成長は見込めるはずだ。2020年を境に、極端に需要が落ち込むとは思っていない」(鴉田氏)

今後の出店計画は?

もう1つ、気になるのは、都内の地価の高騰だ。国交省が公開している地価公示を見ると、中央区では、この5年間で地価が倍近くに跳ね上がっている場所もある。地価高騰は、ホテル事業の収益を圧迫しないのか。

「ホテルを建設するために、土地を新規購入するのは難しい状況だ。しかし、われわれは、土地を購入してホテルを建てる事業ばかりを行っているわけではない。建物を一括して借りるマスターリースや土地を賃借してホテルを運営する手法もある。銀座に関していえば、ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京も、セレスティン銀座も、オーナーである土地所有者が建物を建て、それを借りている。建築コストも上昇しているとはいえ、地価の高騰により、必ずしも、ホテルビジネスが成り立たなくなるわけではない。また、宿泊施設には、容積率緩和の措置が適用されるので、オフィスビルだと採算があわないが、ホテルであれば事業として成り立つというのも、銀座にホテルが増えている理由の1つではないか」(鴉田氏)

最後に、今後のセレスティンホテルズの展開について尋ねた。短期間に、立て続けに3店舗を開業したこともあり、今後の動きが気になるところだ。

「ガーデンホテルの新規案件は多数あるが、セレスティンホテルズの4店舗目に関しては、具体的にどこにというのは、まだ決まっていない。ブランドコンセプトの1つである、ローカル・エクスペリエンスに、こだわりを持っていきたいので、ロケーションとして面白い案件とご縁がつながったならば、そのときに考えるようにしたい」(鴉田氏)

森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

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もりかわ あき / Aki Morikawa

現在、神奈川県観光協会理事、鎌倉ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『湘南モノレール50年の軌跡』(2023年5月 神奈川新聞社刊)、『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)など

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