「努力しても成績が伸びない子」の残念な習慣 「頑張っても伸びない」に親子とも悲鳴

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例)小6の女の子の例

私がかつて指導していた小6の女子のお話をしましょう。彼女は、全教科抜群にできるのですが、特に国語がよくでき、難問でも解いてしまうのです。私は、その子に「どうやって国語の文章を読んでいるの?」と聞くと、「この文章に出てくる○○ちゃんは、私の友達の△△ちゃんに似ていて、でも××の部分はちょっと違うんだよね。△△ちゃんはこんなふうには考えないからね」と答えるのです。

さて、これが何を意味するかおわかりでしょうか。この子は問題を解くために文章を読んでいるのではなく、自分の知っている現象と文章を重ね合わせて、内容面に入り込んでいるのです。だから問題が解けるのです。

つまり、その子は「楽しんでいる」のです。

例)歴史ができる高校生の例

ある高校3年生がいました。彼は、高3から世界史を勉強し、たった1年でマスターして早稲田大学法学部に合格しました。彼に、なぜ世界史がそんな1年でできるようになったのか聞いたのです。すると彼は「世界史に出てくる人物を自分の知っている友人たちに置き換えている」というのです。「先生も出てきますよ」と言われたものです。家族や知人、友人を総動員していると言っていました。単なるカタカナで表記され会ったこともない世界史上の人物を、身近な人に置き換えることでリアル感を持って“楽しんだ”ようなのです。

どうすれば楽しめるのかを考える

この2つの例はほんの一例です。まだまだたくさんあります。できる子だから楽しめるのではなく、楽しめる子だから結果としてできるようになっていったのです。おそらく端から見ていれば、この2人の子は一生懸命勉強している、頑張っていると見えますが、内面が外から想像する姿とはまったく異なるのですね。

藤森さんにアドバイスしたいことは、一見つまらなさそうにみえる勉強を、いかにして楽しめるようにするかということが重要だということです。ただ頑張ればいいというものではありません。どうすれば楽しめるのかを考えて実行してしまう。この考え方が、将来にわたって、お子さんにとっての最大の財産にもなることでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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