隠れて「自転車通勤」で事故、労災はおりるか

「定期代の不正受給」ならば解雇のリスクも

2つ目の理由は、駐輪スペースの制限があるためです。都心では駐輪場そのものが少なく、社員による路上駐輪が横行するようなことがあれば問題です。こうした施設管理面や安全面の問題からも、企業が自転車通勤を禁じることができると考えられています。

自転車通勤が認められている企業でも、条件付き許可制としている企業が多いようです。条件は企業によりますが、構造・性能面で安全なTSマーク付きの自転車に限る、自転車賠償損害保険への加入を義務づけるといった内容が一般的です。

「TSマーク」とは、自転車安全整備士が点検整備した普通自転車に貼付されるもので、傷害保険と賠償責任保険が付帯されています(TSはTraffic Safety の略)。TSマークには赤色と青色の2種類あり、赤色は2017年10月より賠償責任補償が1億円に引き上げられました。有効期間は点検日から1年間となりますので、毎年点検を受けることで車両の安全性を確認するという意味合いもあります。

ちなみに、一部の自治体では、条例で自転車利用者および未成年者の保護者や事業者に対し、自転車保険への加入を義務づけています。兵庫県を皮切りに2016年7月には大阪府が、2018年4月からは埼玉県でも自転車保険への加入が義務化されます。住民でなくても、義務化地域で自転車に乗る場合には保険加入の義務対象となりうる場合があるので注意が必要です。

また、自宅から最寄り駅まで自転車で通勤している方もいらっしゃるでしょう。駅までの自転車使用について、細かいルールを定めている企業は少ないと思いますが、自治体の条例に倣い、自転車保険への加入を勧める企業も出てくるかもしれません。

会社に黙って自転車通勤して事故に遭ったら?

自転車通勤が安全面や施設面などの理由から就業規則により禁止されている会社で、こっそり黙って自転車で通勤しているような場合は、どうなるのでしょうか。この場合、企業が規定した自転車通勤禁止ルールに違反することとなり、懲戒処分の対象になりえます。処分の程度は、企業秩序の侵害度合いにもよりますが、何度も繰り返されるようなことがあれば軽い処分では済まされない可能性があります。

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