自転車保険「あえて加入しない」のも賢い選択 条例義務付けに慌てず、冷静に自己分析せよ
自転車での事故を補償する保険があることをご存じだろうか。自転車事故で加害者になった時の相手への補償と自分のケガの保障をセットにした、文字どおりの「自転車保険」だ。
今年10月から兵庫県が自転車ユーザーに自転車損害賠償保険等の加入を義務付ける条例を施行したことなどもあり、日本全国でニーズが高まり注目を集めている。それを表すように自転車保険を扱う損害保険会社では自転車保険の新規契約件数が対前年比2倍超の伸びになっていると、一部で報じられている。保険飽和といわれる中で、存在感を放っている。
※本稿では、相手にケガをさせたり物を壊したりすることによる償いを補うときには「補償」を、自分のケガや盗難など自分の差し障りを保全するものには「保障」として表記している。
自転車でも自動車と同じくらい高額の損害賠償になる
日常生活に欠かせない移動手段である自転車。自動車と違い運転免許は必要なく乗れるので幼児から大人まで、老若男女を問わず利用されている。自分だけでなく家族も含めて通勤、通学、買い物などに自転車を使っているという読者も多いだろう。
利用する機会が多ければ事故に遭う確率も当然高くなる。気をつけなくてはいけないのは「自転車だから大した事故にはならないだろう」とあなどることだ。
平成20年に神戸で起きた自転車が歩行者と衝突した事故では加害者になった少年の親に9000万円を超える賠償が請求されている。それだけに自転車ユーザー、あるいは自転車に乗る子供を持つ親にとって自転車保険は欠かせないといえる。
自転車と同じく身近な移動手段である自動車やバイク(二輪車、原動機付自転車)は、法律によって自賠責保険の加入が義務付けられている。自動車やバイクを運行中、他人にケガをさせたり、死亡させたりした場合の対人賠償事故を補償するためのものだ。
これは最低限の条件で、その対人賠償の上限金額のさらなる上積みに加え、対物事故、運転者を含む搭乗者、自分が運転する車などの補償を充実するために任意で加入する自動車保険も、ほぼ100%といっていいほど加入されている。
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