新宿の古民家が居酒屋に変身したアツい事情 「ほぼ新宿のれん街」は1年目から活況に沸く
のれん街に入店させる業態に関しては、3つのテーマから考えていた。
1つ目は、店舗の不具合を了承してくれるオーナー。改修したからといっても、古民家は古民家。50年以上経った躯体を生かし、なるべくその面影も残したため、雨漏りをするときもある。その他の不具合も出てくるだろう。
このような問題を理解し、逆にそれを生かしてくれるようなオーナーに入ってもらおうと決めていたのだ。清水氏は「この物件を見た時にザワザワと、何か感じてくれるオーナーに入ってもらいたい」という表現で、人と物件との巡り合わせの重要性を付け加えた。
2つ目は、古民家と連動できるオーソドックスな業態であること。
たとえば和の焼き鳥や、牛タンなど、「和」のもので、年配の方にとっては、懐かしさを感じるようなお店だ。そのためにできるだけ古い部分を残した。古い家で古くからある食を堪能する。まるでタイムスリップしたような感覚をおぼえるだろう。
3つ目が、古民家というイメージとは真逆の業態を入れるということだ。和洋折衷のように、古民家でシャンパンやワインを飲むという、意外性を提供する。このギャップが若者の層をつかむ。古きと新しきのコラボレーションだ。
7軒はしごして、飲んでもらえたらいい
20代、30代には「斬新さ」、50代、60代には「懐かしさ」の空間を提供しようというのが、同社の狙いだ。また、このような千差万別の業態を集めることで、趣味趣向の異なる客が集まる。清水氏は、「最低でも2軒ははしごしてもらいたい。もっといえば7軒、行ってもらえるといいですね。どこのお店も気軽に入り、1、2杯飲んで出入りできるお店なので」という。
冒頭でも書いたが、微増する外食産業市場とは別に、居酒屋などの業態は、縮小傾向にある。
最後に、清水氏は、「外食のマーケットはこれからどんどん確実に縮小していくでしょう。少子高齢化もありますが、若い子が、あまりお酒を飲まない傾向もあって、確実にマーケットは年々縮小していきます。だからこそ、お客様が外食をしたいと思える場所を作り続けていきたいと思うのです。たとえば、彼女をデートに誘って喜ばれる、幹事さんが忘年会に連れて行くと社内での株が上がる(笑)、そんな空間を提供したいと思います」と語った。
「ほぼ新宿のれん街」が業界の中でも注目を集め、同社には各企業から依頼が舞い込んでいるとのこと。あなたの街にも突然、古き良きのれん街が生まれるかもしれない。
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