新宿の古民家が居酒屋に変身したアツい事情 「ほぼ新宿のれん街」は1年目から活況に沸く
「ほぼ新宿のれん街」は、代々木駅から山手線のガード下をくぐった先にある。お店が乱立する駅の反対側と比べ、人通りは少なく、飲食店をするうえで立地が良いとは決して言いがたい。また新宿駅からも徒歩5分圏内にあるが、人波も新南口を出たタカシマヤ タイムズスクエアくらいで終わってしまう。
今でこそ、レトロでおしゃれな空間が存在しているが、それまではツタまみれの鬱蒼(うっそう)とした廃虚しかなかった。
なぜ、この場所に作ったのだろうか。
「この場所(ほぼ新宿のれん街)は、なかなか歩かない所ですよね? はじめ、古民家の情報を入手した時、『面白そうな物件だな。ちょっと見てみようか』という軽い気持ちで現地に行ったんです。実際に見て、いいなと思ったのですが、このエリアは、地元の人以外知られていないですし、飲食店はまばら。1店舗で勝負しても、勝てない場所だなと感じました」と話し、次のように続ける。
「ただ、裏をのぞいたところ、同じような民家がまだ6棟も残っている。これすべて合わせて勝負すれば、勝てる。そう思ったんですよ。人通りの少なさと、ツタまみれの古民家ということを除けば、代々木駅から徒歩1分、新宿駅から徒歩5分という好立地です。だから企画書を持って大家さんに直談判したんです」と清水氏は笑った。
「インスタ映え」を狙った店舗づくり
開店1年間の売り上げは、トントンか赤字を覚悟。その後、古民家ののれん街として話題になり、メディアに紹介されながら2、3年目には黒字転換という運営計画を立てていた。
その予想を裏切り、開店当初から売上高は想定を超えた。初年度ながら単月黒字化を続けている。オープンから10カ月足らずだが、客数は月間1万~1万2000人、客単価はお店によってまちまちだが、2500〜5000円くらいまでという。
オープン時にプレスリリース以外は、何もメディア対策をとっていなかったという中での、この集客力はなぜ実現できたのか。その勝因は、想定外のツイッターの拡散やSNSだった。
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