あの北千住が「ヤンキーの街」を脱出したワケ 足立区は「大学の誘致」でブランド化を進める

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北千住は、ここ最近、街としての姿を大きく様変わりさせている(撮影:風間仁一郎)

東京の中で、ポテンシャルを秘めているのに、長年あまり見向きもされることなく放置されてきた街がある。足立区北千住だ。これは足立区のブランドイメージが関係してきたといえるだろう。足立区といえば、「ヤンキーが多そう」「治安が悪いのではないか」というイメージを持つ人も多いのではないだろうか。

確かに、足立区の犯罪認知件数はいまだに都内で上位に食い込んでいる。2017年は4月末時点で2103件となっており、「都内最多」(足立区ホームページ)だ。しかし、絶対的な数で考えると、2011年には1万363件だったところ、2016年には6519件と5年で約37%も減少していて、治安は改善傾向にあるともいえる。しかも、荒川区に隣接して都心にも近い北千住は、ここ最近、街としての姿を大きく様変わりさせているのだ。

絶好の利便性とポテンシャル

筆者は以前から一貫して「北千住押し」である。学生時代は北千住でアルバイトもしていたし、広告業界にいたときにはあの一帯を営業テリトリーとして担当していた。街全体の良いところも悪いところも、理解しているつもりだ。何より、この街で特筆されるのは立地の良さである。

北千住にはJR常磐線、東京メトロ日比谷線、千代田線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレス線と5路線が乗り入れている。常磐線や日比谷線は上野に、つくばエクスプレス線は秋葉原に接続でき、山手線に乗り換えれば大抵のオフィス街に容易にたどり着ける。

また、千代田線は1969年開業と旧営団地下鉄としては5番目の路線と歴史も古いこともあって、深度もさほど深くない。都心まで比較的ストレートに走り、ビジネスの中心地である大手町までわずか17分といった、絶好の利便性だ。

そのほかにも、街を変貌させる原動力になっている要素がある。それは大量の学生を呼び込み、周囲の環境良化にもつながる大学の誘致だ。

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