「養老孟司の新書」がどれも売れる5つの理由

どうして5作連続で10万部を超えられたのか

なにが読者をそこまで惹きつけるのか?(撮影:今井康一)

養老孟司氏(東京大学名誉教授)の新著『遺言。』の売れ行きが好調のようだ。11月17日の発売以降、各書店の新書ランキングで軒並み1位を獲得。発売から3週間余りで11万部を突破したことになる。

養老氏の名前を一躍、一般の人々の間で有名にしたのは、『バカの壁』だろう。2003年に刊行されたこの本は、現在までに442万部を売り上げている。版元の新潮社によれば「壁」シリーズとして刊行された『死の壁』『超バカの壁』『「自分」の壁』もそれぞれ70万部、50万部、30万部を突破している。新潮新書から刊行された養老氏の著作は5作連続で10万部超えということになる。

第2弾、3弾は売れない著者が多い

実は新書でベストセラーを出した著者でも、第2弾、3弾となるとセールス的には苦しくなるケースが多い。ミリオンセラーの続編が、数万部にとどまるのは決して珍しくない。

「小説の場合は、シリーズ化すれば一定の読者はついてきますが、教養新書は同じ登場人物が大活躍、といったパターンは不可能です。また、往々にして人生論でヒットした人は、次も人生論で、となるものの、そんなに話が変わるわけではないから、どうしても2作目は厳しくなりがちなのです」(ある教養新書編集部の編集長)

このような中で、養老氏の「ヒット率」には目を見張るものがある。

なぜそこまで売れるのか。なにが読者を惹きつけるのか。新書というパッケージの特性や、「バカの壁」という流行語の影響を論じる向きが多いのだが、ここではあえて本の中身を中心に考えてみたい。過去のシリーズ作も見つつ、担当編集者などの話も聞きながら考えてみよう。

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