任天堂スイッチ、大ヒット商品開発の舞台裏 Wii Uのリベンジ、開発者が明かしたこだわり
予想外の遊び方が広がった
――3月の発売以降、好調な販売が続いている。
小泉: 本当はもう少し時間をかけてスイッチの魅力を伝えていく予定だったが、スイッチのよさを想像以上に早く理解していただけている。特にユーザー自身が創意工夫をして、私たちが思ってもみなかった遊び方を開拓しているのが印象的だ。
中でも驚いたのは、スイッチを買うための行列に並んでいる3人組の中で、1人がスイッチ本体を持ち、ほかの2人がその画面を見ながらゲームで遊んでいるのを見たときだ。スイッチでは追加のコントローラを買わなくても2人プレーが楽しめる「おすそわけプレー」という遊び方があるが、まさかそれに「持つ係」を加えて3人でゲームをおすそわけするとは考えていなかった(笑)。
――スイッチのコンセプトはどのように決まったのか。
高橋:任天堂はつねに次のハードについて考えている。2012年にWii Uを発売したあとにはもう次世代のコンセプトを議論していた。スイッチの原型となった、①2つの分離式コントローラ「ジョイコン」を使って気軽に2人プレーを楽しめる、②据え置き機でありながら外に持ち運べる、という2つのコンセプトが固まったのは2014年になる少し前だった。
小泉:意識したのはゲーム人口の二極化。ここ数年で「気軽に遊びたい人はスマホゲームを、ゲームをやりこむ人はプレイステーション4やパソコンで遊ぶ」という状況になった。その両方の層に楽しんでもらえるゲームを考えた結果が、スマホと据え置き機のいいところを兼ね備えるという発想だった。
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