「ポケモンGOには2段、3段ロケットがある」 なぜこれほどまでにポケモンは強いのか
――20年以上の間、人気コンテンツであり続けられたのはなぜか。
新しいものに挑戦し続け、ポケモンの種類や遊び方のバリエーションを増やしていった。これが、ユーザーの興味を保ち続けることにつながった。『赤』『緑』(1996年)が発売されてから20年間、新しくファンになる人がいる一方、ポケモンを卒業していく人もいる。ただ、一度卒業した人もゲームが新しい仕組みに変わると、「変わったのなら、もう1回やってみよう」と戻ってきてくれた実感がある。
マンネリに対する危機感は強く持っている。「このままでは面白くないはずだ」とか、「前と同じだったら絶対飽きられる」という気持ちは、ずっと持ってやってきた。何を変えるべきか、何を続けるべきかというのは、新作を開発するごとに、開発元のチームで議論が繰り返されている。
今回の『サン』『ムーン』では、最初に3種類のポケモンの中から1匹を選ぶあたりは『赤』『緑』から変えていないが、変更した仕組みもある。ポケモンのストーリーには、各地にある「ジム」を巡り「バッジ」を獲得していくという基本的な流れがあるが、今回は思い切って廃止した。また、ポケモンを使った移動についても、これまでは特定のわざをポケモンに覚えさせる必要があったが、今作ではそれも変更した。
みんなが遊んでくれるものを作る
――『妖怪ウォッチ』が大人気になった折には「子どもがポケモンから離れている」と言われた。どんな工夫をしてきたのか。
2~3年前には「ポケモンさんは何か対策を打たないんですか」とよく聞かれた。「もうポケモンさんも終わりましたね」と言ってくる人もいた。社内でも「子ども層をどうするか」みたいな議論はつねにしている。
だが、「この層を取りにいこう」と対策を打った場合、そのほかの層を排除してしまう危険があり、簡単ではない。作ったものに対して「こういう人に提案してみよう」というアプローチのやり方が私たちのやり方で、ターゲットに合わせてモノを作る、マーケティング的な事業展開は得意ではない。
最近はむしろ、できるだけ広がりのあるものづくりをしようと思っている。ポケモンGOにしても、「スマホユーザーのこういう層のこういう人たちを狙って、ここに仕掛けましょう」と考えたわけではない。みんなが遊んでくれるものを作ったほうが楽だし、アプローチとして正解なのではないかと思う。
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