任天堂スイッチ、見えてきた「勝利の方程式」 スタートダッシュ成功、各国で入荷待ち状態
「正直、ホッとしている」。4月27日に行われた任天堂の2016年3月期決算発表会見で、君島達己社長はそう心境を吐露した。普段から落ち着いた対応を見せる質疑応答でも、この日はやや饒舌になる場面が見られた。
君島社長を安堵させたのは、3月3日に発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が好調な出だしを見せたことだ。発売前の段階では3月末までの約1カ月間で200万台の出荷を計画していたが、実績はそれを上回る274万台となった。現在でも各国で入荷待ち状態が続いており、需要の天井は見えていない。
スイッチの立ち上がりにおいて懸念されていたのが、同時発売ソフトのラインナップの弱さだった。それを払拭したのが『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』だ。ゲーム世界内を自由に動き回れる「オープンエアー」と呼ばれるシステムが評価され、複数のゲームレビューサイトで高評価を連発した。
「マリオラン」のダウンロード数は1億5000万に迫る
ゼルダはスイッチ向けと先代に当たる「Wii U」向けの2種類が発売されているが、スイッチ版の販売本数は276万本と、本体の販売台数を上回る異例の売れ行きとなった。これは、本体が購入できないのでソフトだけを先回りして購入するユーザーが出たためだと考えられる。
また、今回の会見では昨年から本格的にスタートしたスマートフォン向け事業についても言及された。2015年度に57億円だったスマートデバイス・IP関連収入等の売り上げは、2016年度には242億円まで拡大した。
2016年度に配信されたスマホタイトルは2つ。1つは昨年12月に米アップルのiOS端末向け、今年3月にアンドロイド版がリリースされた『スーパーマリオラン』。このゲームは1200円を払えば全コンテンツを遊べるという販売方式にも注目が集まっていた。現状1億5000万近いダウンロード数を稼いだ一方、2ケタを目標としていた課金率については未達だとした。
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