任天堂に次ぐ時価2位、ネクソンの隠れた実力 中・韓で超ロングヒットを続けるゲーム大手

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
経営の柱となっている「アラド戦記」。14年間人気を維持する驚異のタイトルだ(写真:ネクソン)

任天堂やソニーのように、家庭用ゲーム機を出しているわけではなく、バンダイナムコホールディングス(HD)やコナミHD、スクウェア・エニックスHDのように家庭用向け超有名ソフトを提供しているわけでもない。ミクシィのようにスマホゲームがヒットしているわけでもない。

しかし、東証1部に上場するゲーム会社で、時価総額トップに君臨する任天堂に次いで2位につけるのが、オンラインゲーム大手のネクソンだ。社名を聞いてピンとくる人は少ないかもしれないが、時価総額は実に7565億円(4月24日現在)にのぼる。

2016年は226億円ののれん減損を計上した影響で大幅減益となったが、もともとの利益率は高水準。2017年は売上高1900億円(前年は1831億円)、営業利益720億円(同406億円、それぞれ東洋経済予想)程度へと、大幅増益の見込みだ。

10年以上の古参ゲームが収益柱!

ネクソンはほかの日本メーカーとは違った、独特の事業構造を持つ。主力は中国と韓国におけるPCゲーム事業だ。「オンラインで多くのプレーヤーが同時に参加するRPG」を得意としており、「メイプルストーリー」や「マビノギ」といった人気タイトルを配信している。

「アラド戦記」は中国市場で圧倒的な人気を継続している(写真:ネクソン)

中でも、経営の柱となっているのが「アラド戦記」だ。2003年に韓国で、2008年に中国で配信された古参ゲームながら、中国のPCオンラインゲーム市場で3本の指に入る人気を維持し続けている。

2016年におけるネクソンの中国向けの売上高は741億円と全体の4割を占めたが、実際の課金規模はさらに大きい。中国では海外企業が直接ゲームを配信することに規制があるため、現地企業を通して配信している。「アラド戦記」の場合は中国のIT企業・テンセントだ。課金総額のうち、テンセントの取り分を除いた分がネクソンへ支払われる仕組みになっている。

次ページルーツは韓国に
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事