任天堂に次ぐ時価2位、ネクソンの隠れた実力

中・韓で超ロングヒットを続けるゲーム大手

この頃、ネクソンに対して熱いまなざしを送る男がいた。現在ネクソンの社長を務めるオーウェン・マホニー氏だ。当時、マホニー氏は米国のゲーム大手エレクトロニック・アーツで経営企画担当のバイスプレジデントを務めており、買収の対象としてネクソンをチェックしていたという。

ネクソンの買収を試みたオーウェン・マホニー氏だが、逆に入社し、自ら社長として会社を率いることになった(撮影:梅谷秀司)

マホニー氏は「当時はインターネットに接続するのにも多額のコストがかかる時代だったが、サーバー管理を非常に効率的に行っていた。さらに"通信会社にとってゲーマーは将来の優良顧客"と通信インフラ会社と料金を交渉し、よい条件でゲームを展開していたのが印象的だった」と話す。

マホニー氏は幾度も買収を提案したものの、金正宙氏はこれを拒否し、逆にネクソンへの入社を打診する。両者の駆け引きがしばらく続いた後、2010年にマホニー社長は買収をあきらめ、ついにネクソンへ入社することを決めたのだった。

当初の役職はCFOで、最初にかかわったのは株式公開に関する業務。翌2011年には東証1部へ上場し、2014年には社長に就任している。

中国・韓国への依存から抜けられるのか?

中国・韓国で圧倒的な強さを誇るネクソンだが、ほかの地域やスマホゲームへいかに展開していくかという点が大きな課題だ。現在、売上高の約8割を中国と韓国が占めており、収益を支えるのは10年以上前に配信されたPCゲーム。売上高に占めるスマホゲームの割合はまだ約2割にとどまる。

ネクソンは本社を置く日本市場でも苦戦してきた。日本はここ数年減収減益が続き、売上高全体に占める割合は1割にも満たない。モバイルゲーム拡大を狙って、2012年に開発会社のグループスを365億円で買収したが、思うような事業拡大ができず、2016年12月期に減損損失を強いられた。

また、今年3月には「中国が韓国企業のゲームの新規承認を停止する」と韓国紙が報じ、ネクソンの株価が大きく下落したことが注目を集めた。マホニー社長は「報道では色々な情報が出ているが、実際に中国当局から何かがあったわけではない」と話すが、もとより強い規制がかけられていることもあり、現在でも中国動向を不安視する声は根強い。

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