任天堂に次ぐ時価2位、ネクソンの隠れた実力 中・韓で超ロングヒットを続けるゲーム大手
欧米や日本と異なり、韓国や中国は家庭用ゲーム機市場よりもオンラインゲーム市場が先行して拡大していった。ネクソンはその流れをがっちりとつかみ、オンラインゲームを主体に成長してきたのだ。
しかも、黎明期からゲーム運営を続けてきたことによって、ゲーム内のイベントやアップデートを「いつどのタイミングで行えばユーザーがゲームに熱中するか」というノウハウを蓄積してきた。これこそが、ネクソンが10年以上に渡ってゲームの人気を維持できる原動力になっている。
たとえば、今年は中国における(オンラインゲームにとって書き入れ時の)旧正月向けの大型アップデートを実施。2017年1~3月期の3カ月だけで300億円から350億円程度の営業利益を稼ぐ計画だ。
本社は東京、でもルーツは韓国にある
前述のように東京証券取引所に上場し、本社も東京に置くネクソンだが、そのルーツは韓国にある。創業者の金正宙(キム・ジョンジュ)氏が1994年にソウルで「ネクソン・コーポレーション」を設立したのがはじまりだ。1996年には同社初のオンラインゲームとなる「風の王国」をリリースしている。
転機となったのが1999年に配信された「QPlay」というクイズゲームだ。現在スマホゲームなどで主流となっている「基本プレイが無料」というビジネスモデルを世界で初めて導入したのがこのゲームとされている。
配信開始時は月額課金制をとっており、業績は振るわなかった。そこで、2001年にゲームを閉鎖する前に実験的に無料で遊べるようにした結果、ユーザー数が劇的に回復したのだ。
それからは「基本プレイでユーザーを集め、アイテム課金によって収益を得る」ビジネスモデルが主体となっていった。2003年には現在の主力である「メイプルストーリー」「アラド戦記」「マビノギ」を相次いで配信している。
2005年にはグローバル展開を目指し本社を日本に移した。欧米ではなく日本としたのは、日本がゲーム業界のメッカで距離的にも韓国と近いことが理由だったという。
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