任天堂スイッチ、見えてきた「勝利の方程式」 スタートダッシュ成功、各国で入荷待ち状態

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スプラトゥーンなど自社ソフトの発売予定は明確。あとは他社ソフトだ(撮影:田所千代美)

任天堂「勝利の方程式」

今後のスイッチの動向を左右するソフトに関してはどうか。自社開発ソフトでは『マリオカート』『ARMS』『スプラトゥーン』『マリオ』など、大型タイトルの新作を投入する予定で、具体的な発売時期も告知されている。ただ、他メーカーの大型新作については情報が少ない。スクウェア・エニックス・ホールディングスの『ドラゴンクエストⅪ』は発売が決まっているが時期は未定だ。大手各社の動きは注視する必要がある。

さらに、スマホ向けゲームの動向もポイントだ。昨年は、『ポケモンGO』の世界的ヒットが携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けの『ポケットモンスター サン・ムーン』の販売を押し上げ、3DSそのものの拡販にもつながった。今期は発表済みの『どうぶつの森』を含めてスマホ向け新作を2~3タイトル出すという。これらがどれだけヒットするかも重要だ。

ゲーム機本体とソフトの両方を手掛ける任天堂にとって、自社ゲーム機を普及させ、ソフトの販売で利益を稼ぐことが「勝利の方程式」。順調なスタートを切っているスイッチの勢いをどこまで続けられるかが、任天堂全体の今後を左右する。出足好調とはいえ、これからも気を抜けない状況が続きそうだ。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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