渋谷に上陸した「Plug and Play」の正体 スタートアップ支援の新潮流になるか

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「これまで、キャピタリストとしてスタートアップを支援していく中で、大企業とスタートアップの連携の難しさに直面する機会が多くありました。特にクロスボーダーとなると、そこに文化や商慣習・言語の問題などが相まって残念な結果になったケースも。われわれは、これまでのアクセラレーターが実施していなかった海外スタートアップも日本に呼び込み、一緒に支援をしていきます。その中で、大企業・国内スタートアップ・海外スタートアップのミックスだからこそできる、”日本の当たり前に縛られない価値“を生み出していきたいと思います。また、これが実現できるのは日本を代表するそうそうたる企業様に全面的にバックアップいただいているからだと思います。皆さんからお力添えいただき、しっかり還元できるよう尽力してまいります」

誰でも入っていけるオープンな雰囲気

Plug and Playはシリコンバレーの地で、起業家や投資家と連携を図ろうとする人がまず訪れるべき入門編の場所といわれてきました。活気があり、誰でも入っていけるオープンな雰囲気があるからです。

今回のイベントでも、ほかのスタートアップイベントでは見られないスーツ姿の人も多数出席し、参画プレーヤーの広がりを感じることができました。コアなメンバーだけでなく少し離れた人たちを巻き込むことが大切。かつてビットバレーと呼ばれ、日本におけるスタートアップムーブメントの発祥の地となった渋谷においてPlug and Play Japanが、新たなムーブメントを起こそうとしていることは意義深いと思います。

筆者は、創設まもないPlug and Playを訪問したことがあります。恒例になっている壁へのサインを書きながら、「このようなオープンで活力のある拠点が日本にもできれば」と思っていました。それから10年、日本のスタートアップをめぐる環境は大きく変化し、Plug and Play Japanが発進。渋谷にできたシリコンバレーのさらなる拡大と、それと連動する日本企業のイノベーションの加速を期待しています。

石井 芳明 経済産業省 新規事業調整官

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いしい よしあき / Yoshiaki Ishii

経済産業省 経済産業政策局 新規産業室 新規事業調整官。1965年生まれ。1987年、岡山大学法学部法学科卒業。1996年、カリフォルニア大学バークレー校 留学(公共政策 単位履修生)。2000年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科卒業(国際経営学修士)。2012年、早稲田大学大学院商学研究科卒業(商学博士)。1987年、通商産業省(現・経済産業省)入省。中小企業・ベンチャー企業政策、産業技術政策、地域振興政策等に従事。1997年、同省工業技術院国際研究協力課、2000年、中小企業庁経営支援課、2003年、経済産業政策局産業組織課、2006年、中小企業基盤整備機構資金支援課、2007年、同ファンド企画課、2008年、大田区産業経済部産業振興課課長、2011年、地域経済産業グループ地域経済産業政策課を経て、2012年から現職。

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