「米国は世界の縮図、メルカリは必ず勝つ」 フリマアプリ最大手、山田社長の野望とは?

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さまざまなジャンルの商品をスマホで手軽に売買できる、この強みを磨き上げ、後発ながら圧倒的な大手となった(撮影:梅谷秀司)
日米累計ダウンロード数は6000万、1日に100万点以上が出品されるフリーマーケットアプリ「メルカリ」(2016年9月時点)。スマホで手軽に売買できるフリマアプリは数年前からサービスが増えてきたが、LINEなど大手の撤退も相次ぐ厳しい市場だ。そんな中、メルカリは後発ながら圧倒的な最大手に成長した。
創業者であり社長の山田進太郎氏は、イベントで「減速の予見はない。流通額も伸び続けている。PCやガラケー時代に比べ、スマホはユーザー層が広い。まだまだ伸びる」(昨年11月のTechCrunch Tokyo 2016)と語るなど強気だ。なぜ独り勝ちしているのか。山田社長に聞いた。

 

──従来のECやオークションサイトとは違う、新しい消費スタイルを生み出しているように見えます。

そもそもが、ヤフオク(ヤフーのネットオークションサービス)でもアマゾンでもない市場を作りたいと思っていた。実際メルカリには、トイレットペーパーの芯やどんぐりまで出品され、バッグや財布はボロボロの状態でも売れていく。これまでは捨てられていたようなものに、ユーザーが価値を見出している。

僕はネットサービスの中では無料通話サービスのSkype(スカイプ)とかがすごく好き。スカイプのコミュニケーションがあったおかげで結婚したカップルがいたり、商売を成功に導いた人もいたり。僕も事業を通して、ユーザーになんらかの好影響を与えたいと考えてきた。

特にマーケットプレイスやCtoC(個人間取引)という機能は、物々交換から始まる人間の根源的なビジネス。楽天にいた頃からとても面白みを感じていた。

ヤフオクとの違いは「スマホ・初心者向け」

──ヤフオクとの明確な違いは?

細かい機能面はさておき、ヤフオクが当時パソコン(PC)という限られた人向けのデバイスに最適化して作られたのに対し、メルカリはスマートフォンという、皆が身につけ、使っているデバイスを前提に作っているところだろう。サービスの広がり方がスマホならではだ。

米配車アプリのUber(ウーバー)がわかりやすい。サンフランシスコでウーバーが作った市場は、従来のタクシー市場の3倍にのぼるという話がある。つまり、それまで価格や利便性の問題でタクシーを使わなかった人がそれだけいたということだ。

ヤフオクの顧客が氷山の海面に出ている部分だとしたら、メルカリが開拓するのはその海面下に大量にいる、出品や売買に二の足を踏んでいる人たち。最近は匿名で配送できる仕組みも作って、さらにハードルを下げる試みを強化している。

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