「米国は世界の縮図、メルカリは必ず勝つ」 フリマアプリ最大手、山田社長の野望とは?
──従来のECやオークションサイトとは違う、新しい消費スタイルを生み出しているように見えます。
そもそもが、ヤフオク(ヤフーのネットオークションサービス)でもアマゾンでもない市場を作りたいと思っていた。実際メルカリには、トイレットペーパーの芯やどんぐりまで出品され、バッグや財布はボロボロの状態でも売れていく。これまでは捨てられていたようなものに、ユーザーが価値を見出している。
僕はネットサービスの中では無料通話サービスのSkype(スカイプ)とかがすごく好き。スカイプのコミュニケーションがあったおかげで結婚したカップルがいたり、商売を成功に導いた人もいたり。僕も事業を通して、ユーザーになんらかの好影響を与えたいと考えてきた。
特にマーケットプレイスやCtoC(個人間取引)という機能は、物々交換から始まる人間の根源的なビジネス。楽天にいた頃からとても面白みを感じていた。
ヤフオクとの違いは「スマホ・初心者向け」
──ヤフオクとの明確な違いは?
細かい機能面はさておき、ヤフオクが当時パソコン(PC)という限られた人向けのデバイスに最適化して作られたのに対し、メルカリはスマートフォンという、皆が身につけ、使っているデバイスを前提に作っているところだろう。サービスの広がり方がスマホならではだ。
米配車アプリのUber(ウーバー)がわかりやすい。サンフランシスコでウーバーが作った市場は、従来のタクシー市場の3倍にのぼるという話がある。つまり、それまで価格や利便性の問題でタクシーを使わなかった人がそれだけいたということだ。
ヤフオクの顧客が氷山の海面に出ている部分だとしたら、メルカリが開拓するのはその海面下に大量にいる、出品や売買に二の足を踏んでいる人たち。最近は匿名で配送できる仕組みも作って、さらにハードルを下げる試みを強化している。
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