バックライトなどの光散乱導光ポリマーとプラスチック光ファイバーでは、いずれも「散乱」という現象を自在に操ることがカギになっている。散乱にかかわる自然現象では夕焼けが有名だ。
夕日が赤いのは、波長が短い青色光が散乱し、波長が長い赤色光が残って目に届くから。だが実は、夕日が赤いというのは地球における固定観念で、光の散乱の仕方が違う火星の夕日は青い。散乱を思いのままにするということは、極端にいえば地球で青い夕焼けを作るようなものだ。
「インチキ」扱いからのスタート
今でこそ散乱について深い洞察を持ち、フォトニクスポリマーの開発で世界トップを走る小池教授。ただ、散乱を制するまでには、長い苦闘の歴史があった。
新しい技術が生まれるときに批判は付きものだが、小池教授がプラスチック光ファイバーを作ったときもご多分に漏れず、「小池の理論はいんちきだ」「それはできないだろう」と冷たい言葉を浴びせられた。当時の研究者たちは、伝送速度を上げるためにゴミ(不純物)を取り除いて光ファイバーを透明にすることに心血を注いでいたのに、小池教授がやろうとしていたのは、反対に微小な不純物を入れて屈折率分布をつけることだったからだ。
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