1人があるキャラクターを描き出すと、みな同じキャラクターを描き始め(ここまではかわいい)、それぞれ比べながら「自分が一番うまい」と自信満々に発言。最後には私に順位を決めるように頼んでくる始末。とにかく自分が一番じゃないと気が済まないのです。
さらに、セレブキッズ特有の会話があります。それは親自慢。父親がどれだけ海外出張をしているか、出身大学はどこか(ほとんどがハーバードやケンブリッジだったりします)、勤めているのはどこか(投資家や証券会社のトップというパターンが多い)……。これがレッスン中延々と続きます。私のパートナーの話が出たときには、「ミサコの彼も投資家なの?」と聞いてくる。アメリカ人の負けず嫌いと強気発言は子どもの頃からこうして鍛えられているのだと実感しました。
小学生にロボットデザインの家庭教師
4.ありえない習い事
「みんなが習っているから私も」という感覚はニューヨークの子どもたちにはありません。私の生徒たちも、びっくりするような習い事をしている子が多いので、ここでいくつか紹介しましょう。
まずは、フェンシング。4年生の女子ですが、瞬発力を伸ばすという理由でもう2年ほど習っているそうです。ロボットデザインの家庭教師をつけている小学生男子もいます。小学生ですでに3Dプリンターを使って、ラジコンを一から作るというのだからビックリ。ファッションデザイナーを目指している子は、プロ仕様のミシンを購入して、ファッションデザイナーの卵を先生にデッサンから習っています。
ブロードウェイに出たい!という子も結構いて、ある兄弟は家にボイストレーナーを呼んで1時間半みっちりトレーニングを受けているのだとか。私が家にお邪魔して、弟に漫画を教えていると、上からお兄がオペラを歌う声が聞こえてきたり……。兄弟そろってこうした芸術系の習い事をしている家は少なくありません。
とにかくセレブキッズは、「やりたい!」というものがあったら、親が家庭教師(しかも一流)を見つけてくるのが当たり前。私が昔住んでいた中西部のミズーリ州などでは、こんな習い事をしている子どもをみたことがありませんでした。自らの個性を磨き、可能性を広げられるセレブキッズたちをうらやましいと思いながら教えています。
来月マンハッタンで生徒たちのグループ展「マンガ・マニア・アート・ショー」を開きます。アニメ・漫画という趣味を通じて、新しい世界を発見したり、友達の輪を広げる機会になればいいな、と思っています。
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