《若手記者・スタンフォード留学記 3》日本人の英会話を改善する3つのヒント

 


スタンフォード大学に来てはや1年。その間に、あらためて思い知らされたのは、自分自身も含む日本人学生の英語力の低さです。

 

そもそも理系であれば、数式という世界共通語がありますから、英語力不足は致命傷になりません。「英語が大してできなくても、数式で会話できるから、不自由はないよ」とは理系の多くの学生が声を揃えるところです。日本語が通じないことにより減じる能力は「2割」といったところでしょう。

翻って、文系の場合、事態は深刻です。

計量経済学や統計学などであれば、数学が苦手なアメリカ人は多いですので、十分、彼らと渡り合えます。しかし、ディスカッション中心の授業となると話は別です。語学力不足により、能力は日本語環境と比べ5割減となると言っても過言ではありません。そのため、授業で大した貢献もできず、高い英語教室として留学生活を終えてしまうリスクが高まるのです。

英語は「発音」ではなく「中身」というのはウソ

「英語は発音ではなく、中身が大事」とは日本で良く聞かれる言葉ですが、それは半分真実で半分嘘です。

確かに、最も重要なのは話の中身です。ただ、単語の発音や文章のリズムに乱れがあると、聞き手はそこに意識をとられ、内容そのものの理解に集中できなくなります。その結果、会話のリズム自体が滞ってしまうのです。日本人英語を聞きなれた外国人ならまだしも、一般の外国人は、内容の理解にかなり困難とストレスを感じるはずです。

それでも、話し手の立場が高かったり(例・先生と生徒)、ビジネスの大事な商談であれば、発音が悪くとも、相手はこちらの言い分を必死に聞いてくれるでしょう。しかし、普通の対等なコミュニケーションにおいては、そうはいきません。皆、そこまで寛容ではありません。

もちろんネイティブのように発音するのは無理ですし、その必要もありません。ただ、いくつかのコツを押さえておくと、随分と会話が円滑に進むようになります。ちなみに、私は、大学時代に3カ月間留学したことはありますが、あとは日本の典型的な英語教育を受けてきた人間ですので、何かヒントになる点があるかもしれません。

最初のポイントは、リズムをつかむ能力を養うことです。これは音楽の才能に大きく関係している気がします。

ただ、音楽のセンスがなくても、英語を聞きっ放しにしていれば、英語のリズムが体に染み込むはずです。好きな歌のCDをいつも聞いていると、リズムが自然と刻まれるのと同じ要領です。巷にある「英語を聞き流すだけで、自然と英語が喋れるようになる」といった宣伝文句は、誇張がすぎますが、聞き流しがリズム感を養うことは確かです。日本人にとってある意味、英語は歌であると思ったほうがいい。

日本人はとかく「L」や「R」や「TH」といった、個々の発音を治すことに躍起になりがちですが、むしろリズムの改善の方がコミュニケーションの向上に直結するように思えます。

2つ目は、英語の特殊な発音の研究です。日本人全般のリーディング、文法の能力は決して低くありません。にもかかわらず、それがリスニング、スピーキングの能力につながらないのは、単語を個別に追いかけてしまうからです。

英語では、単語と単語がつながることで(リンキング)、発音が変わる例がことのほか多い。「WANT TO」が「ウォナ」と発音されることは常識でしょうが、「TELL HER」という文章ではHの音が消えて、テルアーと発音される、ということは私も最近まで知りませんでした。

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