「伝え方が9割」、その際に大切なのは技術だ

人を動かすコトバには法則がある

「私自身も小学生のころから転校が多く、コミュニケーションに苦労した経験があります。文系的な微妙なニュアンスが苦手だったので、大学では答えが一つしかない理系に進み、ロボットを研究しました。しかし、就職活動を続けているうちに、自分はロボットも好きだけど、本当は人とコミュニケーションしたいということがわかったのです。広告代理店に入ると、コピーライターの部署に配属になりました。名刺をもらって、カッコいいと思ったし、とてもうれしかったことを覚えています」

しかし、コピーライターの世界は甘いものではなかった。

「一つのコピーを書くのに、100案くらい持っていくのです。コピーは一つの紙に、一つのコピーしか書きませんから、100枚になります。しかし、どれだけ書いて上司に見せても、ゴミ箱に捨てられるのです。1日100枚提出を3~4回繰り返すのです。まるで自分が捨てられているような気分になり、大きなストレスも抱えました」

佐々木氏は次第に自分でコピーを書くコツを見つけようと試行錯誤を始めた。

「自分でいいと感じるコトバを見つけたら、ノートに書きつけるようにしたのです。すると、心を動かすコトバには法則があることを見つけたのです。それから、私の人生は変わりました。コピーでさまざまな賞をいただいたり、作詞のオファーがきて、アルバムがオリコン1位になったりとまさに劇的な変化でした」

伝え方一つで、人生を逆転することもできる

「コトバで人を動かす。つまり、北風と太陽のお話しで太陽が主人公にコートを脱ぐことを促したように、人に無理に押し付けるのではなく、相手が行動できるように促すことが大事だということなのです」。そうすることで、「ノー」を「イエス」に変える可能性が高まっていくのだ。

そのために、大事なことは、以下の3つだと佐々木氏は言う。

ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
 ステップ2 相手の頭の中を想像する
 ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる

「ノー」を「イエス」に変えるコトバは、相手との共作でできるものだという。一方で、伝え方は、その人の性格を表すものでもあるのです。だからこそ、「伝え方を変えたら、あなたの性格も変わる可能性がある」と佐々木氏は強調する。

最後にこうした伝え方の技術をマスターする秘訣について、佐々木氏はこう助言する。

「まずは使ってみることです。ある著名な経営者は、プレゼンを成功させるために、20回も練習したと言います。新商品の発表会などでぶっつけ本番のように見えるのは、考え抜かれた演出とトレーニングの結果なのです。結局のところ、誰だっていきなりできるわけはないのです。とにかく実際に使ってみることが大事。ある日本の中小企業の社長さんから、取引先から値段を下げると言われ、その事態を避けようと必死に考えた末、『御社のフラッグシップモデルをつくりませんか』と言って、その結果、取引先と新しい仕事ができるようになったと聞きました。これは相手のことを想像したからこそ成功したと言えるでしょう。このように伝え方によって、人生を逆転することだってできるのです」

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