挑戦しないことこそ、失敗である
「人は失敗することを恐れます。ですから、失敗しないように挑戦を避けて通ります。しかし、人生という大きな視点から見れば、どうでしょうか。もしかしたら、挑戦しないことこそが、失敗につながると考えたことはあるでしょうか」
そう熱く語るのは、アメリカ生まれの齋藤ウィリアム浩幸氏。UCLAの医学部在学中にビジネスを立ち上げたベンチャー起業家だ。
「ビジネスを始めたのは、10代の頃。日本企業との付き合いが始まり、いろいろな支援を受け、その結果成功できました。会社売却後、これからの身の振り方を考えた際に、その恩返しをしたいと考えたのです。日本で多くの人たちに、ビジネスのサポートをしたいと思っています」
齋藤氏が今、最も力を入れていることは、「アントレプレナーを支援する」ことだ。その視点で、日本を見ると、少なくない問題点があるという。
「いろいろな課題があると考えていますが、中でも最大の問題は教育です。たとえば、日本の大学生に接して感じるのは、彼らがデータや情報を暗記する気持ちが強過ぎることです。データや情報はインターネットで検索すれば、済むこと。教育では、Whatではなく、Whyを大切にしなければなりません。いわば、質問する力をつけるということです。情報はパソコンで充分。むしろ、経験や知恵を養うことこそが、教育なのです」
その意味で、大事なことは、「自分で考え、アウトプットする力を磨くこと」だという。では、そのために私たちは何をすべきなのか。
「一つは、ボランティアです。すなわち、“助けを与える力”を身に付けることです。それと同時に、自分が困ったときに“助けを求める力”も必要になってきます。これこそ、起業家に必要なことです。
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