――このたびは「スタートアップ」というテーマでお集まり頂きました。
坂本:私はこの4月、ジャズの新しいレーベル「SOMETHIN'COOL」を立ち上げました。それで最近、取材をされる機会も結構増えています。女性がレーベルを立ち上げるとなると、いまだに珍しがられる、新しがられるというところがあるのです。ジャズ業界って男文化というイメージがまだまだあるかなと思います。
ただここ数年間、ジャズ界全体において、「女子ジャズ」のキャンペーンを打ったり、女性ミュージシャンを応援する風潮が高まったりと、だいぶ女性プレイヤーの認知度は増えたと思っています。その背景にはいろいろな理由があり、単に「かわいいから」とファンになってくれるお客様ももちろんいるでしょう。
でも女性ってやっぱり「魅せる」のがすごく上手だということも、認知度が増えた要因として大きいと思いますね。「この曲美しいんですよ、聴いてください」みたいに、メッセージを伝えるのがうまい。差別するわけではないのですが、男性は比較的「修行型」だと思うんです。何かを突き詰めるみたいな。
20世紀のジャズは、ジャズが生まれ、進化してきた時代ということもあり、男性ミュージシャンによる「修行」で突き進んできた。いっぽう今の若いミュージシャンは、それも踏まえた上で、さらにリスナーとしての目線も持っているのが強みだと私は思うんです。この傾向が「21世紀型」だと。
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