れいこ:ヴィブラフォン奏者ではミルト・ジャクソンやゲイリー・バートンが好きです。もともと私はクラシック出身なので、オーケストラ作品なども聴きます。作曲をしていると、ベートーヴェンとかモーツァルトとか、どういう脳みそしているんだろうと思うんですよ。好き嫌いはきっとあると思うのですが、先人たちが作ってきた、ジャズを含むさまざまなジャンルの音楽すべてを尊敬しています。
触発されるのは、作曲家よりもプレイヤーですね。その人の考え方だったり、音楽に対する姿勢に影響を受けます。
さまざまなミュージシャンの音楽から学ぶもの
すみれ:私は、1人あげるとしたらキース・ジャレットが好きですが、ビル・エヴァンスも好きです。ほかにもたくさん好きなピアニストがいます。
大学では「ビバップは基本」という感じだったので、黒人がルーツになっているビバップを、「どうやったら習得できるのか」を、ずっと考えていました。でも今では、そういう勉強に加えて、自分がものすごく好きなものを、ジャンルを問わずたくさん集めて、そのなかから、自分が「楽しい」と思えるエッセンスを新しい曲や即興として出していくことができたら、と思っています。そうすれば、現代のミュージシャンとしてやっている意味があると思うのです。前よりも幅広く音楽を聴くことを意識するようになっていますね。最近では旅行に出かけて、現地の音楽や民謡も聴いています。
坂本:バックグラウンドと言えば、すみれちゃんのお父さんはお琴の先生、れいこちゃんはお寺の娘さん。木魚やお経を聴いて育ったんだよね。2人とも和のバックグラウンドを持っています。
日本人のミュージシャンのオリジナル性は、海外で高く評価され始めています。作られた曲には、日本人独特の情緒や哀愁が無意識に溶け込んでいるんです。「なぜ日本人はこんな曲が書けるんだ」って、海外のプロデューサーに言われたりすることもあります。だったらもっと積極的に日本人の作品を紹介してよって思うんですけど(笑)。日本人ミュージシャンはもっと自信を持って新曲を発表してほしいですね。
「That Blue Bird」はれいこさんの曲で、洋風でもあり和風でもあり、最初の8小節でいいなって思える曲ですよね。いい曲って、10秒聴いただけで「いい」と思える。キャッチーであるかということ。それはジャズだろうがポップスだろうが同じで、曲というものに焦点を当てたときにそういう現代のキャッチーな感性を2人はすごく持っているという印象です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら