坂本:「Violet For Your Furs(バイオレット・フォー・ユア・ファーズ)」(邦題:コートにすみれを)という古い曲を収録しています。すみれちゃんはスタンダード曲をやらせてもお上手ですから。語呂的にちょうどいいな、と(笑)
私には、ジャズからヒットを出したいという願いがあるんです。それこそ、ビルボードチャートとかに入ってくるような。グラミー賞を取るでもいいんですけど。だからそういう意味でも、さっきいった曲づくりって話につながってくるんです。
「ヒット曲を作る」という感覚を持っているジャズ・ミュージシャンって少ないかも。まぁミュージシャンは本来そういうこと抜きに純粋に音楽をするものですが。みんな「こういうフレーズを吹けるようになりた」いとか、「チャーリー・パーカーみたいになりたい」とかいう願望はあるんだけど、「自分の曲を売りたい」というのはあまり聞いたことがない。ヒット曲があると、クラシックだろうが何だろうが潤うんですよね。ジャズはダメだとか言っている某コラムが最近ありましたけれど、「そんなこと言われて凹んでいる暇があったらいい曲を書きなさい」というふうに常々言っているんです。
そのうち、何かをやらかします
坂本:その点、2人の曲はすごくいいです。だからそのうち何かをやらかしますよ。あと、ジャズは2017年で100周年なんです。正確には、世界で初めてのジャズレコードが発売されたのが1917年。だから2018年は2人のスタートアップの年にもしたいですね。
――例えばYouTubeには600万人ものファンがいるようなアーティストもいます。世界デビューのためには、いろいろな手段があります。
すみれ:YouTubeはほんとうに便利。もちろん参考にしたりもするし。iPhoneで夜中に「かっこいい」って泣きながら聴いていたりするもんね。
坂本:とはいえ、日本では、まだレコードの文化が大きいかもしれません。パッケージをていねいにつくってコレクションして喜んでもらう、というのも本当に大事なんです。そこのバランスが難しいですね。
(構成:圓岡志麻、撮影:尾形文繁、取材協力:大泉学園in F)
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