「生きるように働く」
求人サイト、日本仕事百貨のコンセプトだ。しかし、求人サイトだと思ってホームページを見てみるとすぐに異変に気がつくだろう。通常の求人サイトには必ずある「検索機能」がないからだ。このサイトでは、自分の望む職種、給与、勤務地といった項目から求人を絞り込むことはできない。
代わりにあるのは、一見変わったカテゴリー。たとえば、「モノ作る売る」「世界をよりよく」「旅と宿」。そこをクリックしてはじめて企業の記事タイトル一覧が出てくる。しかし、そこから企業のページに入っても職種、給与、勤務地にはまだたどり着けない。立ちはだかるのは、4000に及ぶ文字と飾り気のない写真。この記事を読んで、ようやく募集要項が現れる。
給与で入社する人は、給与を理由に辞める
このサイトを立ち上げたのはシゴトヒトを立ち上げたナカムラケンタ氏。大学を卒業後、不動産会社に勤め、2008年に独立した。
「高い給与を求めて入社する人は、給与を理由に辞める可能性が高い。一方で、企業の根っこの部分を共有している人は、何か変化が起きても対応しやすいと思います」
そのために、4000字を読む必要があるという。
「確かに応募しにくいですし、不便なサイトであるとは思います。でも、だからこそ本当に入りたい、興味のある人が応募して、企業側も一人ひとりをじっくり選考することができる。その結果、入社後も企業と応募者のすれ違いも少なくなります」
実際、日本仕事百貨を使って募集した企業の3分の2が採用にいたるという。
会社を率いるナカムラ氏が取るのが「ブルーオアシス戦略」。ビジネスの現場でよく耳にするブルーオーシャン戦略とは違う。ブルーオアシスとは、いったいどういう意味なのだろうか。
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