そもそも6種類ものご当地ラーメンを一気にラインナップするのは、ほかの中華料理系あるいはラーメン系チェーンのいずれにもない展開だ。
6種類のラーメンを1店舗で回すのは、ラーメン専門店ではかなり難しい。逆に、スープや具材をセントラルキッチンで仕込んでからお店に配送できるバーミヤンならではの強みといえる。
目指すのは「町の中華屋さん」

「バーミヤンは今まで専門的な中華料理をラインナップしてきましたが、それだけではなく、『町の中華屋さん』を目指そうという方向性に変わってきています。ファミレスである以上は、お客様になじみのある商品を出していきたいです。その中でうってつけのメニューがラーメンだったんです」。バーミヤンのメニュー開発チームの福島宣嘉氏は言う。
この裏側に、バーミヤンの狙いが見えてくる。ファミリー層だけではなく、ラーメンファンにも照準を合わせた新たな戦略が読み取れる。
バーミヤンは中華料理系チェーンでありながら、その店構えや雰囲気から客層がややファミリーに寄っている。「『町の中華屋さん』を目指す」という方向性は、餃子の王将や大阪王将、日高屋、幸楽苑などのチェーンのヘビーユーザーのような、バーミヤンとは重ならない客層もターゲットに据えていく戦略に見える。その際の打ち出し方としてラーメンは目を引き、わかりやすいメニューとなる。普段はラーメン専門店になかなか入りづらいという女性からの支持も得られやすいだろう。
ただ、ファミレスのラーメン作りにはどうしても限界が生じる。セントラルキッチンである程度まで仕込めるというメリットはあるが、再現度という面では専門店レベルを出すのは厳しいという印象がある。
「専門店の味をそのままに、というわけにはいきませんが、なるべく近づけられるよう努力しています」と福島氏。来店客の期待を裏切らない水準の料理を提供していくことが課題となりそうだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら