読む人のことを考えていない「二流」の資料
「うわー、なんやこの本!! とんでもない秘密があるやないか~~!」
これは、私の著書『最強の働き方』に施したさまざまな秘密のこだわりがついにバレてしまったときの、読者の皆さまからの衝撃の反応である。
その詳しい顚末については後述するが、往々にして「一流の仕事」というのは、誰も気づかないところにも「隠れたこだわり」が満載なものである。
たとえば飲食店だと、薄くて軽いグラスに1滴も水滴の痕跡がないよう徹底的に磨かれていたりするし、おすしのネタだと、丁寧に切れ目がたくさん入っているおかげで、固いイカもかみやすかったりする。
洋服のデザインでも、一流ブランド「ポール・スミス」はジャケットの裏にも遊び心満載のデザインが隠されていたりする。つまり、「一流の仕事」にこだわる人は、普通の人が気づかない「裏や細部にも徹底的なこだわり」を見せて、私たち凡人に畏敬の念を抱かせるものなのだ。
これに対し、二流の人物は、その人の全体的な欠陥商品っぷりが、細部の破綻に見事ににじみ出るものである。「人が見えない細部の仕事」をおろそかにするため、「人が見ている大々的な仕事」も大変残念なことになっているケースが非常に多いのだ。
「学歴や頭のIQの高さ」と、「細部の仕事にこだわれるかどうか」は関係がない。往々にして仕事能力というのは、ご立派な経歴より「誰も気づかない細部にまで、どれだけこだわれるか」に、もろに出てしまうものである。
それでは、「仕事の細部」を見ただけでバレてしまう、その人の「人格的欠陥」「人間的故障」は何なのか? 細部に差が出やすい「資料作り」を例に取りながら、早速、紹介していこう。
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