新入社員は「ヤバい65歳」 定年後もスタートアップ!

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:へえ、杉江さん自身も乗るんですか。

杉江:乗りますよ。自分たちで開発したのも、普通のマニュアルの車いすも両方とも。電車に乗って、オフィスへ行ったり、ずっと乗って考えます。ユーザー調査をしていて、すごく面白いことがありましたよ。WHILLに乗る前にボロクソに言っていたあるユーザーが、実際に乗ってみたら、最後に「ジーザス。これはポテンシャルがある」と言ったのです。なんでかというと、WHILLに乗っていると人に声をかけられんですね。「It`s cool」って。

そうすると、本人も「これは最新のモビリティで……」と、話し始めるわけですよ。つまり今までの車いすで生活していたときにはなかった、新しい会話が生まれたんですね。今までは「May I help you ?」だったのが「It’s cool where did you buy it ??」と。機能性に加えて、これまでになかったエクスペリエンスというのが刺さったんだということを気づかされましたね。そこから聞くだけでなく、実際に体験してもらったりすることが、ものすごく大事だと思うようになった、ひとつのきっかけでしたね。

モノづくりもスタートアップがしやすくなった

:今でも同期とのつながりはありますか?

杉江:ありますよ。ときどきメールするくらいですね。会うことは本当にたまにかな。正直、僕らずっと仕事しているから。虫みたいな人たくさんいます。最近、日曜は休もうと決めているんですけど。

:えー! 休んだほうがいいですよ。

杉江:そうですよね。だから最近は月曜から金曜は定例ミーティングちゃんとして、土曜日は各自にやって、日曜日は休むと。そういうサイクルにしました。

:よかった。それがいいですよ(笑)。周りの友人たちから相談などはありますか? 自分もやめたいとか起業したいって。

杉江:あまりないですね。

:相談されたときは、どうアドバイスするんですか?

杉江:全然ない。自由にやってー、ですね(笑)。だから本当に何がしたいか次第ですよね。一方的にこうしたらいいとか全然ないですよ。社内でできることなら、わざわざ飛び出すよりも社内でやったほうがいいですしね。だけど、ちょっと何かやりたい気持ちがある人は結構いるんじゃないかなと思いますよ、わからないですけどね。手伝うよって言ってくれる人とか、勝手にいろいろやり始めている人は周りに多いですよ。

:おお! それはスタートアップ願望があるってことですかね。

杉江:いや、あまりないんじゃないですかね。メーカーの人は特に少ないと思いますよ。

:ハハハ。最近、テレビでリストラにあったメーカーの社員たちが、集結して会社を起こすみたいな特集を見るんですけど。

杉江:家電じゃないですか? 家電メーカーだと結構多いと思いますよ。逆に車は少ないですよね。作るものが乗り物になるとかなりおカネがかかるし、珍しいですよね。海外でLit Motorsという面白い会社があります。絶対倒れない2輪の電動バイクで、本当に倒れないんですよ。これが。

:へえ! 面白いですね。モノづくり系のスタートアップも、最近、トレンドになってきたのでしょうか。WEBならわかるんですけど、メーカーはどうなんでしょう。

杉江:一般的にスタートアップできる流れが出てきたんじゃないですかね。
デザインして、プロトタイプを作って、量産してという行程の一つひとつが、ネットを介して効率的に変わった。メーカーズムーブメントの波が来たのにもそれですよね。

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