これまでの選挙が古すぎた
前回は、参議院選挙をテーマに参議院の存在意義について論じました。
「18歳の若造に言われたくないわ」とムッとされた方もいるかもしれませんが、引き続き、選挙ネタでいかせていただきます。この連載コラムが「スーパーIT灘高生の未来予測」と銘打つからには論じないわけにいきません。
今週は、解禁された「ネット選挙」について。
子どもの頃からネットに触れてきたボクら高校生にとっては、「で?」と一蹴してしまう程度の内容でした。21世紀の日本で初の「現代的選挙」であったと言えますが、これまでが古すぎたのです。
そもそも、ネット選挙という言葉自体が適切ではありません。単に規制を緩和しただけです。これまでの公職選挙法でネットの使用が禁止されていたのは、公選法で法定のポスター・ビラ・ハガキ・新聞広告以外の文書図画の配布を禁止されているからであり、ウエブサイトやツイッターで表示される画像や文章もこれに該当するためです。
では、なぜ配布が制限されているかというと、「お金持ちが有利になるのを防ぐため」らしいです。つまり、資金の潤沢な候補者が宣伝広報活動にお金をつぎ込むことで公正な選挙が行えなくなるのが問題というわけです。
しかし、ネットはお金がほとんどかかりません。だから、ネット規制は公選法の本来の目的からはズレており、それがネット選挙解禁運動の根拠になっていました。そして、超党派議員たちの長きにわたる努力の末、晴れて解禁となったのです。
ネット選挙解禁の目的は2つ
ネット選挙解禁の目的と期待された効果は2つあります。
一つは、前述の問題点を解決し、財力や地盤などにとらわれない選挙戦を展開すること。もう一つは、国民が最も政治に興味を持つ約2週間の間に、立候補する政治家を交えて、国民が主体となった議論と判断ができること。
参院選公示前は、期待に満ちあふれた報道でなかなかの盛り上がりでしたが、実際どうだったでしょうか。
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