山本太郎はネットの無党派層を大量に取り込んだ
山本氏の当選には何重もの壁がありました。大手メディアや原発事故当時の政治家、そして原発再稼働を進める現政権など、ほぼほぼの権力者が敵に回っていると言ってもよかった。
そんな不利な状況に呼応した大量のユーザーが、自らネット選挙運動を展開しました。自分の主張をたかだかと投稿し、敵陣営のユーザーには噛みつく。はたから見れば泥仕合とバカにされそうな光景ですが、これこそが山本陣営の勝利に直結した要因です。そして、こうなることはネット選挙解禁前に十分、予想されたことでもあります。
鈴木氏の投稿がリツイートされる回数よりも、山本氏を支持する人々が繰り広げるさまざまな投稿のほうが圧倒的に多く、ネットの無党派層を大量に取り込むことに成功しました。
「右でない」のはネットでは「極左」
さらに、鈴木氏には単独でもネット選挙の敗因となりうる大きな問題がありました。それは、「民主党議員」という事実です。
ネットでは「民主党」というだけで大半のユーザーが拒絶反応を示し、非論理的とも言えるほど痛烈な非難を展開します。
ここ数年の民主党政権の失政のなすところでもありますが、それに加えてリベラルな「右でない」政治が、ネットでは相対的に「極左」のように扱われてしまう。
そう、ネットの世界は「右」に傾いていて、ネトウヨが跋扈しています。これは日本だけの現象ではなく、ネットの世界特有の心理現象でしょう。
鈴木氏本人でどうにかできることではなかったし、鈴木氏がネットで非難されるような「売国奴」とはボクはまったく思わないのですが、「右でない」ことが現実世界の選挙でもマイナスに働いたことは否めません。
逆に、自民党はネット選挙なんてまじめにやらなくてもネットが味方であることは明白で(そんなこと絶対に口にしないけれども)、笑いが止まらない選挙だっただろうと推測します。
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