実際、現役の営業マンと話していても、彼らが、基本的な金融に関する知見を持っていないことを痛感する機会が日常的にあります。たとえば、金融商品のコストに関する情報などが増えると、外貨建ての保険を資産形成目的で販売することなどできなくなると思うのです。
にもかかわらず、経験を積んだ営業担当者などには、独自のスキルがあります。どう見ても過大だと思われる契約や、世帯主から子供に至るまで、保険漬け(?)のように感じられるほどの追加契約を獲得しているのは、対人交渉に長じた営業担当者です。
見込み客の言動などに応じて、提供する情報を取捨選択しながら、成約に誘導する力は、対面販売の場で日々磨かれていくものであり、大いに警戒すべきなのです。
そんなわけで、安くわかりやすい保険を選びたい消費者は、対面販売が行われていない商品にこだわるとよいでしょう。「担当者による説明が受けられるのがありがたい」といった認識は過去のものとして、「対面での説明などが不要な契約が望ましい」と考えるのです。
具体的には、大手企業の職場などで案内される「団体保険」です。それは、保険会社の内勤部門の人たちが愛用する保険でもあります。パンフレット等を配布するだけで契約を集めているため、保障内容もシンプルで格安なことが多いのです。
「素人にもわかる保険」が良い保険
さらに、通信販売やインターネットで加入できる保険も選択肢になると思います。現状、ネットで販売されている商品が、対面販売を行う代理店に展開されている事実もあり「ネットで加入できるから断然わかりやすく安い」とまでは言えない状況です。
それでも、対面販売の怖さを知る筆者としては、より無難で、必要最小限の契約にとどめやすい、と見ています。
なお、ネット専業生保と呼ばれる会社について、赤字続きであることを指摘する媒体もありますが、保険会社は、初期費用がかさむビジネスモデルで、10年以内に黒字化するほうが珍しいという認識で構わないはずです(たとえば、ソニー生命が単年度黒字化を達成したのも営業開始から13年目のことです)。
今回、あらためて感じたのは、「素人にもわかる保険」が良い保険だ、ということです。それは単純明快な保障内容であることから、保険料も安く設定されやすいと思うのです。読者の皆様には「わかりづらい保険は誰のためにあるのだろうか?」という素朴な疑問を持っていただきたいと思います。
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