とはいえ、消費者が多種多様な商品の中から「安くてわかりやすい保険」を見つけるのは、難しく感じられるかもしれません。しかし、次の4点に留意すると、意外に簡単だと思います。
1.貯蓄性を求めない
安い保険料で多額の死亡保険金などを確保できる保険の利点は、加入者が出し合うおカネが、不測の事態に遭遇した人やその家族のために使われ、何事もなく過ごしている人には払い戻しされない「掛け捨て」の仕組みで支えられています。「保険=相互扶助」と説明されるのはそのためです。
一方、貯蓄は、加入者が支払ったおカネが、将来、払い戻しされるだけなので、助け合いというより自助努力であり、保険ならではの仕組みを必要としません。
現状、保険契約に要する手数料は高額なため、保険での貯蓄は不利でもあります。「保障と貯蓄を兼ねる」と案内される保険も、相続対策に「終身保険」を用いる時くらいしか出番はないはずです。「無事故お祝金」「健康還付給付金」のたぐいがある保険も無視して構いません。
まず、貯蓄性が語られる保険を視野に入れないようにすると、選択肢はかなり減るのです。
他社商品との比較検討を嫌っている保険は怪しい
2.保険会社のホームページで保険料の試算ができる
各社のホームページで、年齢・性別・保障額などを入力するだけで保険料が確認できることは、大きなポイントです。相対的に保険料が高めであると思われる会社の商品では、保険料の試算ができないことが多いからです。他社商品との比較検討を嫌っているのでしょう。
わずかな加入例を示す程度で、「資料請求」や「見積依頼」に誘導している商品も比較を嫌っていると考えられるので、避けたほうが賢明です。利用しやすい料金設定に自信があれば、その場で保険料が把握できるようなサイトを作るに違いないと思うのです。
営業担当者や代理店に、保険料以外の価値を伝えさせたいという思いがあるとしても、事前に保険料が確認できなくても構わない、とはならないでしょう。試算可能なサイトを調べると、検討すべき保険会社が絞られるのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら