地元の超一流・地銀をすぐ辞める若者の本音

彼らの満たされない思いとは?

ちなみに【優秀な若手人材が、地元の人気企業から公務員に第二新卒で転職】するケースは地方で増えているようで、筆者のところに人事部の悩みとして届くことが増えています。でも、どうして、優秀な人材の公務員への転職が起きているのでしょうか?

第二新卒とは正社員・契約社員として社会人経験のある人や、留学などの何かしらの理由で卒業後に就職活動を始めた人の就職活動のこと。地方公務員は、第二新卒での転職活動が基本的に誰でも可能です。ところが民間企業では大学を卒業してしまうと浪人ないしは就職のどちらでも応募が困難になる会社は少なくありません。

最近は第二新卒を積極的に採用する会社も増えていますが、逆に半数以上は(まだ)門戸を閉じています。つまり、学生時代の就職活動とは貴重な機会なのです。

取材したSさんは学生時代にアルバイトに熱中しすぎて、就職活動をないがしろにしてしまいました。結果として希望している会社への内定は出ることなく、就職先が決まらないままに大学を卒業。それでも、卒業後に応募できる会社があるはずと探してみれば、その数は大幅に限られていました。

特に第一希望であった業種は第二新卒の採用が非常に限られていました(こうした背景は過去の連載記事をご参照ください)。あるいは第二新卒での採用自体は行っているものの、新卒社員とは扱いを変えている会社があります。たとえば、新卒での導入研修は半年ですが、第二新卒は半分以下の期間。あるいは、新卒では同期入社で集まる会合が頻繁にあるのですが、そうした会合に第二新卒は呼ばれない。学生時代の就職活動が人材に与える影響がいかに大きいかを物語る話かもしれません。

キーワードは「本気の地方創生」

それにくらべて、公務員は第二新卒であることが大きな不利にはなりません。第二新卒の時期に公務員試験に合格したDさんは、日頃、新卒組と大きな違いを感じることはないとのこと。こうした背景から学生時代の就職活動で失敗したと感じたときの再チャレンジに公務員を選ぶ人が多いのかもしれません。ただ、それだけでもないようです。公務員としての仕事が魅力的と感じるから転職を決断するのではないでしょうか?

《将来、国家公務員だなんて言うな夢がないなあ》

は、宇多田ヒカルさんの「Keep Tryin'」という歌に出てくる歌詞。この歌詞を読んで、二度と聞きたくないとCDを捨てた人がいることが話題になりました。この歌に出てくる国家公務員とも少し違いますが、地方公務員の仕事内容に夢があると感じて転職を選ぶ人たちがいます。それはなぜか? キーワードは「本気の地方創生」ではないでしょうか。

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