優秀な若手人材が、公務員に転身していく
地方のある金融機関で、新卒入社組の研修を依頼されたときのことです。地元でも抜群の人気を誇る企業ですから一流大学の卒業生がずらりと並んでおり、まさに地元のエリート集団という感じでした。それでも、研修をすすめていくと能力・意欲・ポテンシャルにばらつきがあることがわかってきました。
たとえば、研修中のグループワークでリーダーとして仕切れる人。逆に受け身で何も発言ができない人。地元に対する貢献をどのようにしていきたいのか、各個人が想いを語る場面で、心を込めて具体的なことを話せる人。まったく、他人ごとのように冷めている人。
あるいは、金融機関のおかれた現状における課題を分析させたところ、明確な分析のできる人と、わかりませんとあきらめる人。すでに違いが明らかにあると感じながら研修をすすめていきました。おそらく、配属後に1年もたてば大きな違いがでてくるに違いない……と思い、受講者で優秀だと感じた数名を選んで、その人物名を人事部に伝えておきました。はたして、その数名が翌年にはどのように活躍しているか? 気になり、1年後に人事部に問い合わせてみると……
「みなさん、転職してしまいました」
と回答が返ってきたのです。筆者は耳を疑いました。地元で有数の人気企業をわずか1年で辞めて、転職を決断するとは。社内でも優秀な人材として期待をされた状況であったはずです。どうしてなのか、そして、どこに転職してしまったのか? それを聞いたところ、全員が(地元の)公務員試験を受けて、役所に転職したとのこと。
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