日本人女性に足りないのは「自己肯定感」だ なぜ女性の管理職が少ないのか

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やってみなければ、自分がどれぐらい「できる」のかもわからない(写真:eggeeggjiew / PIXTA)

昨今、「ウーマノミクス」だとか「女性が輝く社会」などと掛け声は勇ましいが、リーダーシップ層への女性登用はさっぱり進んでいない。育児や介護などにおける精神的・肉体的負担、過重労働等々、労働環境や仕組みの改善については取りざたされる一方で、女性の活躍を阻むさまざまな要因についての研究や議論は、あまり見聞きすることがない。いったい何が、彼女たちの行く手を阻んでいる本質なのだろうか。

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日本は働く女性の割合が年々増加している。2016年のOECD(経済協力開発機構)の調べでは、15~64歳の女性の就業率は、過去10年で約10%上昇し、66.5%(男性は82.7%)と、初めてアメリカ(女性=64.3%、男性=75.0%)を上回った。いまや3分の2の女性が何らかの仕事をしているということだ。

しかし、一方で、トップマネジメントや管理職層における女性のプレゼンスは圧倒的に低い。管理職に占める女性の割合はアメリカの43.1%(2011年)に対し、日本は11.1%と足元にも及ばない水準だ。

そもそも女性はリーダーに向いている

こうした現状は決して「能力」の問題ではない。そもそも、女性は資質的には、リーダーに向いているとされる。「イニシアティブ(統率力)、明確なコミュニケーション、高潔性、人材開発、チームワーク、ゴール設定力などリーダーシップに必要な多くの項目で、全体的に男性より優れている」(ハーバードビジネスレビュー)という結果だった。つまり、リーダーとしての能力という点では男性に劣るということはまったくなく、むしろ優れた能力を持っているということだ。

91カ国、2万1980の企業を調べた調査では、経営幹部層の30%に女性が登用されている会社はそれ以外の会社と比べ6%も純利益率が高かった。これ以外にも、欧米の星の数ほどの研究によって、女性のリーダーとしての資質の高さは実証されている。

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