女性がプレゼンや人前で話すのが苦手だと考える理由の一つとして、その共感力の高さも影響している。女性は人の表情や感情を読み取る能力が高いので、相手や聴衆の反応がまるで振動のように伝わってくるという人も多いのだ。
「あくびをした」「つまらなそうだ」「こんな話は聞きたくないのではないか」。筆者も、つねに相手の反応が気になって仕方ないほうである。そういった空気を読みすぎる感受性は、話し手を萎縮させ、度胸を失わせる側面がある。
日本の女性リーダーは高度な芸当を要求されている
感受性の問題だけではない。拙稿「『怒りながら叫ぶ女』はどうして嫌われるのか」でも触れたように、女性リーダーは弱々しすぎても、強すぎてもいけないという「ダブルバインド」(二重拘束)があり、強烈な縛りを受けている。過度に自信があるように振る舞えば、男性以上に「傲慢だ」「高飛車だ」「攻撃的だ」と批判されてしまう可能性がある。批判を避けるためには、謙虚さの中に「自信」をのぞかせるという高度な芸当を要求されているわけだ。
世界で最も有名な女性リーダーの一人で、働く女性に対するエンパワーメント(支援)活動を進めるフェイスブックのシェリル・サンドバーグさん曰(いわ)く「幸運は大胆な者に味方する。やってみなければ、どれぐらい『できる』のかはわからない」。女性がリスクを過大視する傾向にあることを踏まえると、実際に飛び込んでやってみれば、実は恐れるに値しなかったことがわかるいうことだ。
もちろん、失敗の可能性だってある。ただ、自信ができるのを待つのではなく、あまり考えすぎず、まずは「やってみる」。きっと、自信は後からついてくる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら