ハナコさんに説明をしてみたのですが、
とのこと。出た出た! そもそもそれが、聞き取りが苦手な原因だとハナコさんは気づいていないようでした。理論的な説明で攻めてもダメなら、あとは力ずく。「声には出すけれど、これも聞き取りのトレーニングなので、スピーキングだと思わずにやってくださいね」とやや強引に押し切ってみたら、場に飲まれたのか渋々了承してくれました。あとは、実践してくれるかどうかが問題なのですけれどね……。
もしかしたら、まずはスピーキングに対する苦手意識の克服から手を付けないと、ハナコさんは音読をしてくれない気がしますね。ちょっと様子を見ないといけませんが、このままでは、きっとリスニングは伸びないかもしれません。
学習難民
以前、同じようにリスニングの対策として、音読のトレーニングをするように勧めた方がいました。筆者と同年代のタロウさんです。タロウさんはハナコさんのように抵抗はしなかったのですが、その後声をかけて聞いてみると、なかなかトレーニングの実践ができていないようでした。本人も必要性は理解していたのですが、
と言って悩んでいました。通勤電車の中では声を出せないし、会社のランチ休憩中も声に出す場所がないとのこと。まあ、周りの目も気になるでしょうから仕方がないと思いましたが、「せめて自宅でだけでも」と言うと、「妻と子どもにバカにされる」とのことでした。
「家族なんだし、気にしなくてもいいのでは?」と筆者は思うのですが、感じ方は人それぞれですし、これがタロウさんの英語上達の阻害要因となっているのは事実。気にせずにできるくらいなら、とっくにやっているはずですしね。「ひとりになれる部屋もない」と言うので、トイレやバスルームを提案したのですが、それは厳しそうでした。
同じような悩みのせいなのかどうかはわかりませんが、音読の必要性をわかっていても、実際にトレーニングを行ってくれない方がよくいます。でも、ハナコさんやタロウさんのようにリスニング対策でも必要なくらいですから、いわんやスピーキング対策では、声に出さないなんていうことはありえないのです。
想像してみてください、ピアノやゴルフ、料理を習いに行って、自宅やレッスン外の時間で、その練習をしないという状態。これでは、いつまで経っても上達はしませんよね。どの習い事でも同じだと思いますが、スクールでのレッスン時間だけで完結したいのでしたら、週1~2回の練習では、かなりの長期間継続しないと結果は出ないでしょう。
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