見よ!「キャンプ飯」はここまで進化している その場でビールまで作ってしまう
かつてパシフィック・クレスト・トレイル協会の会長を務めていたバーバラ・ホジンが当時、キャンパーたちに晩ご飯は何かと尋ねると、答えはたいてい「カップで食べる茶色のもの」とか「緑のもの」だった。トレイルでパッタイを作るには、粉末ジュースの無糖のライム味を使ったものだ。
米国のキャンプ料理が飛躍的に進化
だが今、遠距離トレイルをする人たちは、フレンチプレスのコーヒーを60ドルのチタン製二重構造のマグカップで飲み、濃縮液をクエン酸や炭酸カリウムで発泡させてビールもその場で作る。
車でキャンプをする人々は、ホイルにチョリソーとケール、サツマイモを包んで調理したり、シンクとペーパータオルホルダーもついたキャンピングカーのキッチンで、クミンを使ったイスラエル料理の「シャクシュカ」を朝食に料理したりする。
自然を満喫している間に携帯電話の電池が切れたら、小枝を燃料にして熱を電気に変換する小さなストーブで、充電することもできる。
米国の国立公園の訪問者数がこの3年間連続で記録を更新し続ける中、料理の技術が向上し、食事をすべてSNSに投稿したがる人たちのおかげで、米国のキャンプ料理が飛躍的に進化している。
「見ている景色と同じくらい食事もすばらしいものにしてもいいだろう」と言うのは、『サンセット』誌のシニアフードエディターで、レジデントキャンプの専門家エレイン・ジョンソンだ。同誌が1901年に初めてキャンプ料理を取り上げた時は、カリフォルニア州ハイシエラ(シエラネバダ山脈)からのリポートとして、コンビーフとポテトフレークを使ったシチューやハッシュボールの作り方を紹介した。
「新鮮で独創的で、ハイレベルの食事ができ、味とスタイルどちらの意味でも今はキャンプ料理の黄金時代だ」と、ベテランキャンパーのジョンソンは言う。ジョンソンが最近キャンプで楽しむようになったのは、充電式のミルク泡立て器を使ったカフェオレだ。