見よ!「キャンプ飯」はここまで進化している その場でビールまで作ってしまう
キャンプで料理をする人の数も増えている。調査会社ニールセン・スカーボローによると米国では2014年以降、キャンプに行く世帯数が毎年100万世帯規模で増えている。2017年は1300万世帯が、昨年よりも多くキャンプに行くと推計されている。
その多くは、アウトドアでもすばらしい料理を楽しもうというグルメな人たちだ。
レスリー・ペン(35)もそんな1人だ。サンフランシスコのレストラン「Slanted Door」のシェフのペンは、職場と同じようなメニューをキャンプでも実践している。同じくシェフの夫ジョン・グリフィス(38)と一緒にキャンプを楽しみ、車の場合とハイキングの場合で料理の方法は異なる。
最近、キャンピングカーでシエラネバダ山中にあるタホ湖近くのキャンプ場に1泊した際は、「バンドルローズ」ワインを2本、フラットアイアンステーキ2枚、イングリッシュピー、ファッロ(スペルト小麦)、マイタケを持ち込んだ。友人のおじの自家製プラムブランデーは、体を温めるためだ。
フリーズドライ市場も膨らんでいる
近々、日本の長野でハイキングに行く予定だが、そんな時のメニューは、乾燥させた食品をシリコンの容器に入れ、燃料効率のよいコンロで沸かしたお湯でもどす。

重要なのは、個包装されたフリーズドライの食品は使わないことだ。「これまでに食べてきた多くのキャンプ用の食事は不快なものだ」と、ペンは言う。「文字どおり溶けたプラスチックのような味がするものもある」。
しかし、3兆ドル規模のフリーズドライ食品市場もまた、ネットで世界各地のものや個性的な食材が出回るようになり、盛り上がりを見せている。パタゴニアなどの老舗企業や、ニューヨークの有名レストラン「Annista」のシェフ、ジェニファー・シスム(52)が2014年に創業したメーン州の新興企業「Good to-Go」なども、フリーズドライの食品を販売している。
シスムが手がけるマリナーラソースのグルテンフリーのペンネやタイカレーは、2食分で12.50ドル。同社の創業年の出荷数は196食だったが、今年6月だけで4万5000食を出荷した。
多くの人は自家製の料理を乾燥させ、かつてのキャンパーたちが食べていたものよりはるかにおいしいレシピを考案している。