部下を潰す上司は「叱り方」を理解していない

「叱る基準のない人」は信用されない

あとで事情を聞く場合は時間があるので、しっかり準備して戦略的に叱ることができます。ただし、「その場で」叱るわけではないため、叱るときに相手に自覚がない可能性があります。あとで叱るときのポイントは、次の3つです。

①叱る根拠を準備する

叱るべき行為についての事実を正確に記録しておき、相手に提示します。いつ(日付)、どこで(場所)、どのようなことをしたか。それの何がダメだったのか、どのルールに反しているのかを指摘します。

②レッテルを貼らない

30年以上客室センターに在籍するCAで、ANAビジネスソリューション人材・研修事業部副部長の石山由美香いわく「こちらの情報と相手の言い分とが異なる場合は、事実確認をもう一度することを伝えて、いったん打ち切ることもある」とのこと。重要なのは、「あなたが悪い」という結論ありきで話を進めないこと。あくまで事実ベースで冷静に。

③個室で話す

面談は、ほかの社員に気づかれないような個室で行います。その際は、感情に任せて「怒る」のではなく、戦略的に「聞く」(場合によっては叱る)ことが重要です。もし、叱る側が自分をコントロールできないほど感情が高ぶっているときは、自分をクールダウンさせてからにしましょう。

「終わり」の合図は、笑顔

叱られた後の「後味」によって、その後の後輩の気持ちや行動は大きく変わってしまいます。長時間、粘着質にだらだら叱られたら「口うるさい人だなあ」という印象しか残らないかもしれません。これでは、本来伝えたかったことが、まったく伝わらなかったことになります。

CAの烏田は、「叱ったり、注意をしたりした後の、話の切り上げ方に特に気をつかう」と話します。たとえば、チーフパーサーは、後輩CAとのやりとりで、次のように話を切り上げています。

チーフパーサー「今日言ったことは忘れないでね」

CA「申し訳ありませんでした」

チーフパーサー「(笑顔になって)よし。じゃあ終わり!」

CA「今日はわざわざ時間をとっていただきありがとうございました」

チーフパーサー「(笑顔のまま)明日からまた頑張ろう!  気をつけて帰ってね」

CA「はい。失礼します」

このやりとりのポイントは、その前に話していた内容がどれだけヘビーだったとしても、「終わり」を明確にするということです。言葉で「じゃあ終わり!」と伝えつつ、笑顔になる。烏田は言います。

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