復帰後、自分の居場所はあるのだろうか……。
育休中の社員は、そんな不安に襲われるものだ。最近は、法律の関係で、育休を取得した社員を、復帰後は必ず従前の職場・地位に戻す企業も増えたが、それでも、穴を開ける不安はぬぐえず、ウジウジしてしまうワーキングマザーは多い。
そこへいくと、日本オラクルの富田真優さんは、仕事と育児の両立がしやすく、なおかつ会社に貢献できる復帰後のポストを、自らつかみ取ったのだから、たくましい。
富田さんが勤める日本オラクルは、米国系企業なだけに、人事部が社員の人事を取り仕切るカルチャーではない。
人事権は現場のボスが握っており、自分が異動したければ、その職場のボスと今のボスと相談し、双方の合意を取り、自ら手続きを踏むのがオキテだ。
それは、育休を取得する社員とて同じこと。以前の現場に戻るも、新しい現場に移るも、自分の力次第。アクションは自分で起こすしかない。
「産休中、私は多くのお母さんと同じで、産むまでは以前のマネジャー職に戻る気満々でした。でも、いざ子どもが生まれたら、一瞬にして人生のプライオリティーが変わってしまった。それで、以前よりペースダウンできる仕事を見つけたいと、育休中、コンサルタント時代に仲良くしてもらっていた上司に、フラッと相談に行ったのです」
どうやら、その上司にとっても、富田さんの相談は「渡りに船」だったようだ。
「ちょうど、オラクルのコンサルティングメニューの紹介や、事例の作成などができる、コンサルティング部門のマーケティングの担当者をほしがっていたのです」
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