育休明けポストは自ら作れ!IT母の挑戦 育休明けの仕事は、上から与えられて当然?

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娘さんは、学校帰りは最長20時半まで延長可能の学童保育に預けているが、「お腹をすかせて待たせるのは可哀想」と、18時には迎えに行くようにしている。

習い事もあまりさせず、夏休みはサマーキャンプに送り込むこともなく、なるべく、親子が一緒にいて、会話できる時間を確保しているそうだ。

「私は、親が敷いたレールには乗らなかったし、ルールにのっとって真面目にやるタイプじゃない。だから子どもにも、周りに流されず、自分で判断する力をつけてくれればいいかなと、娘にはよく、『あなたはどう思うの?』と問いかけるようにしています」

「営業の母」として、職場でも、営業マンに、この問いかけを行うそうだ。

「助けを求められたら、『あなたは、どうしたいの?』と、まず聞くようにしています。人間、ああせい、こうせいと命令されると、たちまちやる気をなくしますからね」

モーレツ社員時代を経て、自分なりの仕事と育児のベストバランスを確立した富田さん。ただ、今後は、また新たな挑戦を見据えているようだ。

「自分の部下には、『3年後に何をやりたいの?』なんて聞き、ビジョンが大事と言ってきたけれど、そう言う私が、実はキャリアビジョンもプランもない(笑)。その時その時で流されながらも、ベストを尽くしてきただけなのです。ただ、そのおかげで、上司が私を信頼してくれたのかなとは思っています。だって、『仕事をスローダウンしたいんです』なんて申し出るなんて、ある意味、『仕事の手を抜きます』と言っているようなものじゃないですか。

それでも、上司は許容してくれました。それは、私が“マックスで働く”と、こんなものではないと知ってくれているからだと思うのです。ですから、子どもの手が離れたら、いつかその期待に応えたいですね」

子どもがいようがいまいが、人間、つねに全力で成果を出し続けられるものではない。ただ、ペースダウンしたとき、上司や周囲の人に、それを再び全力を出すまでの「投資」の期間として、温かく見守ってもらえるかどうか。そこに、その人の真の実力や人柄が試されるのではないか。富田さんの話を聞いて、そんなことを考えさせられた。

(撮影:大澤誠)

 

佐藤 留美 ライター
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