日本には、なぜ「名演説」が存在しないのか

イェール大学で教えた日本人2人が語る

「世界で戦うための英語」についておふたりに語っていただきます(撮影:今井康一)
中・高・大学と長く英語を学習しているにもかかわらず、なかなか世界で通用するレベルの英語力が身に付かない日本人。イェール大学名誉教授の浜田宏一氏と、同じくイェール出身の英語塾代表・斉藤淳氏(著書に『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』がある)によれば、英語をしゃべることも大事だが、もっと重要なのは「失敗を恐れず行動すること」、そして「問題を設定し、解決していく力」だといいます。
具体的にどうすればいいのか? おふたりに「世界で戦うための英語」について語っていただきます。

大切なことは「自分を表現するために何をどう話すか」

斉藤:世界を見据えて活動を広げるには、英語を道具として使いこなし、なおかつメッセージをもたなければなりません。そのためにはどういった研鑽を積むべきか。長く世界で活躍されている浜田先生はどうお考えでしょうか。

浜田:日本人は、「自分の個性とは何か」を考える機会が少ないように思います。自分の意見をはっきりと語り、自分を表現することは、英語を学ぶにしろ日本語を話すにしろ必要なことです。

日本ではそれらのトレーニングをほとんどしていません。社会生活の中で自分を表現するために、どんなメッセージをどういうかたちで表現するかの教育は行われていない。

斉藤:言葉そのものも大切ですが、言葉を使って何を表現するかという内容がなければ、世界で渡り合うことはなかなか難しいですね。そこで、中高生の頃からその力が身に付けられるようにと考え、私は英語塾を開いているのです。浜田先生も、イェール大とハーバード大で『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者でもあるエズラ・ボーゲル先生と「ボーゲル・浜田塾」を運営していらっしゃいました。浜田先生がそこで実現しようとしていたことは、なんだったのでしょう?

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