「仕事レベルの英語」を最短習得する人の秘密 純ジャパニーズ×英語ネイティブの日米対談
日本の新聞にがっかり?
上乃:ファクラーさんは、ずばり外国語をマスターする際に必要なものは何だと思いますか?
ファクラー:やっぱり、一定の時間を投資することかな。僕の経験で言うと、1つの言語の習得に必要なのは2年。
上乃:わっ、短い(笑)! 日本の場合、中学校から英語の勉強を始めて、大学に進学するとなると、10年間、英語を勉強します。それでも、できない人が多いのに……。
ファクラー:当然かなり集中して勉強したよ。中国語ができたから、漢字が読めるというアドバンテージもあったしね。日本語を勉強しはじめて9カ月くらいで新聞も読めるようになった。
上乃:新聞といえば、著書『世界が認めた「普通でない国」日本』では、日本のメディアは「55年体制」から抜け切れていないと指摘していますよね?
ファクラー:そうだね。僕が日本の新聞を読み始めたのは20年ほど前だけど、当時も今もその傾向は変わらない。
日本語が読めるようになって、さっそくある有力紙を買ったんだけど、いざ読み始めて、すごくがっかりした。
たとえば、日米貿易摩擦の記事には、通産省(当時)が発表したことしか書かれていない。一方で、アメリカの新聞は、日本の新聞が報じていないさまざまな分析を書いていた。日本の新聞報道は、どこも横並びというか一面的でしかない……。もちろん、外交政策や、時の政権に関しては、各紙それぞれの主張があるけど、霞が関の発表は、あからさまに同じ論調だよね。