「1.5倍の高速授業」で受験に勝ち残る方程式 林修先生も教えるナガセ、社長からの直言

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――大学入試も2020年度から今の中学3年生向けに大きく変わります。

大学入試改革においては、英語が(民間検定試験の活用などで)技能化され、国語や数学は記述式問題が多くなるだろう。記述型では、従来のように4択からなどでなく、ゼロから答えを想起しなければならない。また英語では、今までのようにリーディング一辺倒から、スピーキングやライティングが重視される。新たな教育のマーケットができるわけだ。

文部科学省とは人的な交流などのコミュニケーションをとっている。高校の先生からの関心も高く、われわれは現場の先生向けに、「教育改革先取り対応セミナー」を全国で開催している。その意味では最も対応していると思う。これらはすべて無償でやっているが、それもカネ儲けでなく、いずれは日本を元気にするため、役立ちたいからだ。

東進ハイスクールは御三家を抑え、予備校業界で急速に台頭してきた(撮影:今井康一)

――予備校ではかつて、「駿台予備学校」「代々木ゼミナール」「河合塾」が大手”御三家”でした。東進はその間に割って入ったわけですが、現在、最も意識している相手はどこになりますか。

ない。あえて言えば、自分たち自身。やるべきことをきちんとやるだけだ。ブランドネームは日本でいちばんあるのだから。

(校舎を大幅閉鎖した)代ゼミは浪人生が中心だったが、浪人の数自体が減ってしまった。同じ予備校でも、医学部など難関大学・学部向けはニーズが高く、堅調だ。それに対して、私立文系向けは門戸が広く、その他大勢で入学しやすい分、全体の人数減少の影響を受けた。われわれも新規参入した際、学力の高くない学生向けでは、同じような経験を最初にしている。

競合サピックスに追いついてきた

――中学受験ではいかがですか。ナガセは四谷大塚を傘下に入れ、「サピックス」と激しく競合しています。

サピックスは四谷大塚よりも、例年早くカリキュラムを終わらせていた。が、われわれもサピックスを徹底マークし、それに気づいている。どこに(差がついた)原因があるかを分析して、かなり盛り返しつつある。あと5年も経てば、逆転している。

――人手不足に対してはどう対応していますか。AI(人工知能)が発達すれば、いずれ”AI講師”なども考えられるのでしょうか。

技術革新については、30年前と違い、今は携帯・スマホが普及した。AIはすばらしいツールだが、分析をはじめ、あとは人間がどう使いこなすか。一部、授業には取り入れているが、まだほんの始まりだ。

とはいえ、簡単ではない。AI歌手ならありうるかもしれないが、90分間、生徒を飽きさせず、引きつけるのは大変。それだけ先生というのは、質が高くなければならない。

先生の給料は上がっている。生徒が伸びてくれば、先生も楽しい。われわれの場合、ネットでの授業に加え、現場での担任をつけるなど、教科を教えながら生徒をやる気にさせるようにしている。

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