東京で「食べログ」点数が最高な街はどこか 「安くて満足」な店が多い街も客単価から分析

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上野に続き、4位は東京の「平均3.43点」だった。丸の内は日本を代表するオフィス街で、大企業の本社が集中している。丸ビル、新丸ビルはショッピングで訪れる人も多い。オフィス街でありながら、観光客も取り込むことに成功しているとなれば、飲食店が充実するのも当然だろう。食べログで「東京」エリアという場合、範囲は有楽町、銀座、大手町、日本橋、二重橋前に広がっている。

5位の飯田橋は「平均3.41点」。近くの四谷も範囲に含まれるエリアだが、上位100位内には神楽坂駅と牛込神楽坂駅周辺の飲食店が多くランクインしている。

神楽坂は路地に入ると今でも昭和の面影を感じさせる街並みだ。料亭や芸妓(げいこ)数の減少に伴い、良質の日本料理店が多い美食の街に変遷していった。同じように「星」を付けて飲食店の格付けをおこなう『ミシュラン・ガイド東京2017』では、神楽坂だけで「星」を獲得する飲食店が10店近くもある。

フランス大使館は、現在は南麻布に移転しているが、明治時代は神楽坂にあり、フランス人学校は今でも近隣に設立されている。その影響で、いまでもフランス人の居住が多いといわれる。辺りを散歩してみると、フランスの雰囲気をまとったカフェやビストロが目に入ってくる。たまには食べログを見ないで、勘を頼りに飛び込んでみるのも楽しい。

同率5位の新宿は「平均3.41点」で、飯田橋と同じ平均点だった。アジア最大級の歓楽街でもある歌舞伎町をはじめとして、飲食店、居酒屋、そしてナイトライフを楽しむスポットが多い。

この街は、鉄道ターミナルとしても、鉄道5社の路線が乗り入れ、1日の平均乗降客数は、日本のみならず世界一とみられる(1日の平均乗降客数364万人として、2011年にギネスブック掲載)。高速バスのターミナルであるバスタ新宿も2016年にオープンし、1日の乗降客数は2万人を数え、1200便が発着。お盆時期の乗降客数は4万人に倍増するなど、盛んに利用されて新たな食の需要が湧き起こっているのだ。

7位の新橋からは「平均3.30点」台

5位までは「平均3.40点」以上だったが、7位の新橋から下は「平均3.30点」台に落ちる。元々は花街の一つである新橋は近くに霞が関、銀座があり、官僚や政財界の要人も通う食の街。新橋駅前のSL広場は、テレビ局がサラリーマンのインタビューを行う場所としても有名だ。銀座に比べると、安価な飲食店が多いので、この平均点ならコストパフォーマンスが良い店が多いと言える。「朝飲み」「昼飲み」ができる店も多いのも特徴だ。

ランキングを見て、最初は意外に感じる部分もあった。だが、分析してみると、その街がたどってきた歴史との見逃せない関係があった。それぞれの街に由緒ある歴史があり、その街の飲食店の種類や客単価の分布にも影響を与えているのだ。

新山 勝利 研修講師、マーケティングコンサルタント

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にいやま しょうり / Shouri Niiyama

専門領域は店頭マーケティング、購買心理プロセス、顧客満足度。飲食店のコンサルティングでは、点数を分析したデータ主義で売上向上を図り「食べログ」の評価3.50点達成を推進する。顧客満足を高める販売促進、店舗の活性化や売場づくりのためのノウハウを提供。メーカーや全国の商工会議所などの団体、広告代理店、卸売、量販、チェーン店などが主要顧客。他業界の成功事例を用いて、写真や図表を活用した説明を行う。世界30カ国、150都市を歴訪。中でもフランス・パリには30回訪問。諸外国の先進的な産業事例にも造詣が深い。多数の専門誌に執筆するほか、各種マーケティング学会で論文発表。著書に『売れる商品陳列マニュアル』(日本能率協会マネジメントセンター)など。公式サイトはこちら

 

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